チコリー(chicory)Cichorium intybus Linne
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids
>キキョウ群Campanulids
キク目Asterales
キク科Asteraceae キクニガナ属 Cichorium
フランス名:アンディーブ(endive) 和名:キクニガナ(菊苦菜)
生薬名 :チコリー根
利用部分:花、葉、塊根、
利用 :食用、民間薬、観賞用
原産地はヨーロッパ~シベリア、アフリカ北部で広く野生化している。ヨーロッパ各地では日本のキャベツや白菜のように栽培されるポピュラーな野菜。
日本ではまだ、野生化しているのも、栽培されているのもあまり見かけない。
草丈40~150cm程の高さになる多年草。根はサツマイモに似た塊根になっている。
初夏から9月にかけて青色の花を咲かせる。花は一日花で日が昇る頃咲き、昼頃にはしぼむ。
キク科の花は黄色のイメージがあり、爽やかな青色の花は珍しい。だが、野山の草原でよく見かけるニガナ(苦菜)と同じ形をしているので、キク科の仲間だということがわかる。
味は苦いが食べられる菜という意味からニガナというが、キクニガナもやはりほろ苦い味がする。若葉や花はサラダ用に、根や根茎をチコリー根といい、苦味質、イヌリン、その他を含み解毒、利尿、緩下、抗菌作用があり、肝臓疾患や浄血、強壮に利用される。根を炒って焙煎するとノンカフェのコーヒが出来る。チコリーコーヒは消化促進や強壮作用が期待できる。
1~2月にかけて、根を掘り出し、根を暗室で軟白栽培させると、ハクサイの芯の部分にそっくりの小さな葉が出てくる。モヤシと同じスプラウトとして野菜工場で安定的に生産できる。
岐阜県中津川ではチコリーを軟白栽培し「ちこり村」と名づけて、生産販売している。
(参考)
ハマニガナ(浜苦菜)Ixeris repens A. Gray
キク科Asteraceae ニガナ属 Ixeris
Photo:皆生温泉 海岸
長い地下茎は地下を這い、葉のみが地上に出ている。チコリーの花は海岸の砂浜に自生するハマニガナの黄色い花を淡い青色にしたような感じ。
参考文献
・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
・ヤマケイポケットガイド ハーブ 亀田竜吉(山と渓谷社)
・ハーブ・薬草の楽しみ方 小黒 晃(学習研究社)
・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)
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