アオキ(青木) Aucuba japonica Thunberg
真正双子葉類Eudicots >中核真正双子葉類Core Eudicots >キク類Asterids
>シソ群Lamiids
アオキ目(又はガリア目)Garryales
アオキ科(又はガリア科)Garryaceae アオキ属 Aucuba
日本原産 日本庭園の観葉植物として広く植栽される。
生薬名 :アオキ(青木)
利用部分 :葉
利用 :民間薬
名前の由来:常緑で幹から枝も青いため。学名の「アウクバ・ヤポニカ」は「日本の青木葉
(あおきば)」の意味
北海道南部 から沖縄までの山林に自生する高さ2~3m程の常緑低木。
日陰でもよく育つので山の木というよりは、庭園や公園の植え込みに植栽され庭木として知られ親しまれている。つややかな常緑の葉が美しく、花のあとつぶらな実がつき、冬赤く色づく。
元々は日本原産の日本独自の植物で、私たちにはごく身近にあるありふれたアオキだが、諸外国では珍しい存在として栽培され、外国でも日本名”アオキ”で通じる。
雌雄異株で雌雄の花とも春、4月頃えび茶色、または緑色の小さな花を咲かせる。雄株のほうが花序は大きく長さ20cmぐらい。花弁に互生し4本の雄しべがあり、雌しべは退化してない。雌花にも4枚の花弁があり、その中央に1本の雌しべがある。雄しべは無い。実は雌株につく。
全植物中に配糖体アウクビン(Aucubin)を含む。
葉や実を摘んでしばらく置くとだんだん黒く変色する。配糖体アウクビン(Aucubin)が分解し酸化することで黒くなったからだ。
奈良県でつくられる苦味健胃薬、百草(ひゃくそう)や陀羅尼助(だらにすけ)はキハダ(黄柏)の水性エキスにアオキの葉の水性エキスを加える。ツヤのある黒い丸薬が出来る。葉の汁には解熱効果がある。
民間ではアオキの新鮮な葉をあぶって泥状にしたものを火傷や創傷に塗ったり、葉をもんで腫れ物につけたりする。消炎、殺菌作用があり化膿を防ぐことができる。
成分:配糖体アウクビン(Aucubin)
用途:苦味健胃薬原料。切り傷、火傷、腫れ物などに外用。
参考文献
・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
・最新生薬学 刈米達夫著 (広川書店)
・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
・花と樹の事典 木村陽一郎 監修
・山渓カラー名鑑 日本の樹木 (山と渓谷社)
・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)
(コメント)
これ迄、植物を系統的に分類する方法ではシダ植物と種子植物、裸子植物と被子植物、単子葉植物と双子葉植物というような方法が親しまれてきたが、近年、DNA配列に基づく系統関係から、従来とは異なる配列がとられるようになった。
APGによる大分類で、1998年に最初の系統的分類APGⅠが発表されてから改定が加えられ、現在は2009年のAPGⅢが発表されるに至っている。
その結果旧ミズキ科に属していたアオキ属はアオキ科としてキク類、シソ群のアオキ目(ガリア目)の中に位置付けられた。
所属「科」などは近年の遺伝子DNA配列に基づく、新分類体系APGⅢ方式に従った分類、配列順にしています。各、同じ科内での並び順は、学名の属名アルファベット順になっています(T.K)