ズダヤクシュ（喘息薬種）
ズダヤクシュ（喘息薬種）Tiarella polyphylla D.Don
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots
ユキノシタ目Saxifragales
ユキノシタ科Saxifragales ズダヤクシュ属 Tiarella
生薬名 ：ズダヤクシュ（喘息薬種）
利用部分 ：全草の乾燥品
利用 ：民間薬
名前の由来：ズダに効く薬種の意味。
（富山、福井、長野県などでは喘息のことをズダという）
北海道から本州（近畿以東）四国の亜高山帯の深山で針葉樹林の下や渓流沿いに自生する多年草。山歩きをするとやや湿ったトドマツ エゾマツの林の縁に良く見かける。地味な小さな花なので特に人目を引くような花ではないが、よく見ると実に凝った形をしている。花期は６〜８月で、２０〜３０ｃｍ位の花茎を伸ばし白色の花を下向きに開く。白い花のように見えるのは萼辺で、萼より長い糸状の花弁が５枚ある。雄しべは１０本。花外に突き出す。雌しべは２個の心皮の長さが違うなどの特徴がある。
「本草図鑑」に「ズダは喘嗽（せんそう）をいい、このものよく哮喘（こうせん）を治する」とありズダは咳の意味でズダヤクシュに喘息を治す効果があることが記されている。
参考文献
・朝日百科 世界の植物 （朝日新聞社）
・山渓名前図鑑 野草の名前 夏 高橋勝雄著 （山と渓谷社）
・山野草ハンドブック 伊沢一男（主婦の友社）
・植物分類表 大場秀章 編著 （アボック社）
（コメント）
従来の分類ではユキノシタ科は草本、木本の多様な属を含んでいたが、遺伝子ＤＮＡを用いた植物の系統分類、ＡＧＰ�景�類では木本性の植物全てと、草本性のいくつかの属が他の科に移動した。新たなユキノシタ科ではチダケサシ属、ネコノメソウ属、チャルメルソウ属、ユキノシタ属、ズダヤクシュ属などが所属し、アジサイ属、ウツギ属バイカウツギ属などはキク群、ミズキ目ノアジサイ科に移された。その他の属にも種々の再編が行われ、ユニノシタ科は大きく変った
所属「科」などは近年の遺伝子ＤＮＡ配列に基づく、新分類体系ＡＰＧ�景�式に従った分類、配列順にしています。各、同じ科内での並び順は、学名の属名アルファベット順になっています（Ｔ．Ｋ）