イタドリ（痛取）
イタドリ（痛取）Fallopia japonica (Houttyn) Ronse Decr
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots
ナデシコ目Caryophyllales
タデ科Polygonaceae ソバカズラ属Fallopia (←イタドリ属Reynoutria )
生薬名 ：コジョウコン（虎杖根）
利用部分 ：�〆� ��茎(芽出しの頃の若い茎）
利用 ：�〔唄嵬堯 ´⊃�用
名前の由来：”痛み取り”が痛取に。
漢字の「虎杖」はイタドリの太い茎の節ごとに赤い斑紋がありこれが虎の尾の斑紋
に似ている、また太い茎が杖になりそうところから虎杖に。
春先、本邦各地の山野や道端、また荒れ地などでイタドリが芽を出す。タケノコのように節のある太い茎は中空で暗紫赤の斑点がある。若芽の頃のイタドリは柔らかく手で簡単に折れる。
皮はきれいにはぎ取ることができ食用にする。酸味がありスイバ同様スカンポと呼ぶ地方もある。ハイキングや野山遊びなどで喉が乾いたとき道端のイタドリを折り、噛むと適度な水分とさっぱりした酸味が疲れを取ってくれる。そのまま生でも或いは塩をつけて食べても美味しい。水に1〜２日間晒してあく抜きをしたのち、塩づけにして冬場の保存食にも出来る。
雌雄異株で葉は広く卵型。夏から秋にかけて、葉の付け根と枝先に小花を房状につける複総状花序。花は白色または薄紅色の平べったい特徴のある形をしていて秋に熟す。種子には３枚の翼があり、風によって散布される。そして春に芽吹いた種子は地下茎を伸ばし、群落を形成して一気に生長する。山野のどこにでも、道路脇や崖や荒地などの場所にも生育できる、典型的なパイオニア植物。肥沃な土地では高さ２ｍ程までに生育する。
観賞用に海外に輸出されたイタドリは在来種の植生を脅かす程の旺盛な繁殖力から逆に駆除の対象にもなったりしている。マメ科のクズも同様、生育のあまりの良さが却って嫌がられている。
若葉を揉んで、擦り傷などで出血した個所に当てると多少ながら止血効果があり、痛みも和らぐ。
秋から冬にかけて葉が枯れる頃、根を掘り取り日干しにした物を”コジョウコン（虎杖根）”と呼び便秘、利尿に使う。民間薬として鎮静薬にする
成分
・根：配糖体:エモジン、メチルエモジン ポリゴニン、アントラキノン類、タンニン類など
・若い茎：リンゴ酸、クエン酸、酒石酸 蓚酸
用途
薬用に
緩下薬として常習便秘に、利尿薬、通経薬、膀胱炎、膀胱結石、月経不順、鎮静薬、止血薬
便秘がちの人に効果があると言われる。
食用
若い茎は皮をむき、そのまま生で、又ゆでて和え物に若葉は天ぷらに、塩漬けにして冬場の
保存食に出来る。
参考文献
・朝日百科 世界の植物 （朝日新聞社）
・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 （広川書店）
・山野草ハンドブック 伊沢一男監修 （主婦の友社）
・野草の名前 秋・冬 高橋勝雄 （山と渓谷社）
・日本の薬草全書 中山草司（啓明書房）
・美味しい山菜 おくやまひさし著 （文一総合出版）
・植物分類表 大場秀章 編著 （アボック社）
・花と樹の事典 木村二郎（柏書房）
・食材事典 廣田孝子監修 （学研）
(コメント）
此れ迄の分類ではタデ科Polygonaceaeの中のツルドクダミ属Pleuropterus、タデ属polygonum、イタドリ属Reynoutria の属はＡＰＧ�靴諒�類ではソバカズラ属Fallopiaとしてまとめられた。
所属「科」などは近年の遺伝子ＤＮＡ配列に基づく、新分類体系ＡＰＧ�景�式に従った分類、配列順にしています。各、同じ科内での並び順は、学名の属名アルファベット順になっています（Ｔ．Ｋ）