エンレイソウ（延齢草）
エンレイソウ（延齢草）Trillium apetalon Makino
単子葉植物 Monocots
ユリ目 Liliales
シュロソウ科 Melanthiaceae (←ユリ科 Liliaceae ) エンレイソウ属 Trillium
生薬名 ：エンレイソウコン（延齢草根）
利用部位 ：根、(開花期）
利用 ：民間薬
名前の由来：中国では民間薬として使われ延齢草根と称していた事に因んだ名。
山地の湿り気のある谷間や落葉樹林の下に生える多年草。根茎は横に這い多数の根を出す。草丈は約３０ｃｍ、茎は分枝せず先端に柄の無い３枚の大きな葉を輪生する。エンレイソウ属Trilliumはラテン語の「treis（三）」が語源の名。
春、４〜５月 ３ｃｍ程の花柄の先にやや紫褐色の花を１個つける。花のように見えるのは３枚のガクで、花弁に相当するものはない。雄しべは６本、１本の雌しべの柱頭の先端は３裂する。花後に緑色の球形の果実が成り、熟すと黒くなる。
開花期の根茎はエンレイソウコン（延齢草根）として古くは胃腸薬や催吐剤などに使われていた。
食あたりなどの催吐剤に民間で用いられていたが、サポニンなどの有毒成分を含む有毒植物としての一面も持つので、むやみと用いない。
シロバナエンレイソウ（白花延齢草））Trillium tschonoskii Makim
別名：ミヤマエンレイソウ（深山延齢草）
外側の緑色の萼（外花被片）も内側の白い花びら（内花被片）も３枚である。本州では亜高山の広葉樹林の林床に自生するが、北海道では原野の林や、高山まで分布は広い。 横向きに咲く姿はつつましく雅趣に富む。
下Photoは上高地明神館付近の梓川沿いに咲く、シロバナエンレイソウ。右i側の白い花はキンポウゲ科のニリンソウ（二輪草）。
参考文献
・朝日百科 世界の植物 （朝日新聞社）
・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 （広川書店
・山渓名前図鑑 野草の名前 春 高橋勝雄著 （山と渓谷社）
・山野草ハンドブック 伊沢一男（主婦の友社）
・植物分類表 大場英章 編著 （アボック社）
（コメント）
従来、日本で長く親しまれてきた植物の分類体系は、近年遺伝子DNAに基づく新分類体系､APG�景�類が用いられるようなってきている。
その結果従来、エンレイソウは ユリ科 エンレイソウ属とされていたが、シュロソウ科が新たに新設されたため、ユリ科からシュロソウ科に移った。エンレイソウ属は従来どうり。
所属「科」などは近年の遺伝子ＤＮＡ配列に基づく、新分類体系ＡＰＧ�景�式に従った分類、配列順にしています。各、同じ科内での並び順は、学名の属名アルファベット順になっています（Ｔ．Ｋ）