オウギ（黄耆）
オウギ（黄耆）
キバナオウギ(黄花黄耆） Astragalus membranaceus Bunge
真正双子葉植物 Eudicots＞中核真正双子葉植物 Core Eudicots＞バラ類 Rosids＞マメ群 Fabids
マメ目 Fabales
マメ科 Leguminosae ゲンゲ属 Astragalus
別名：タイツリオウギ
日本薬局方では生薬のオウギ（黄耆）は
・キバナオウギ(黄花黄耆） Astragalus membranaceus Bunge 又は
・ナイモウオオギ（内蒙黄耆）Astragalus mongholicus Bungeの根
と定めている。
生薬名 ：オウギ（黄耆）
利用部位 ：根
利用 ：日本薬局方生薬 漢方薬処方用薬
名前の由来：黄耆の耆は老人の老と旨いが組み合わさった字で、黄耆の根が黄色く老人の髭の
ように長く伸びることに由来。
中国東北部、内蒙古、ロシア、朝鮮半島に自生、栽培される多年性草本。国内では北海道、岩手県などで栽培する。草丈は５０〜１００ｃｍ。葉は互生しマメ科特有の羽状複葉。花も蝶形で、淡い黄色。キバナオウギはゲンゲ属ということだが、ゲンゲ、（レンゲソウ、レンゲの方が親しみがあるが）の花の様子とは少し違う。
1個1個の花はマメ科特有の蝶形をしているが、花の付き方が輪状にならず横一列、同方向に並ぶ
同じマメ科にクサフジがある。クサフジは名前にフジがつくように薄紫〜赤紫の花が咲く。オウギはこのクサフジそっくりな花のつき方をしている。主根は太く長い。常に分岐する。１１〜１２月地上部が枯れた後、根を掘り取り水洗し陽乾する。
この根を漢方ではオウギ（黄耆）といい代表的な補気強壮薬（胃腸系を強めて気を補い、体全体に潤いを与え、強壮をはかる薬）の一種として強壮、強心、利尿、止汗、血圧降下のために用いられる。また栄養ﾄﾞリンクの成分としても知られている。滋養強壮薬としてはチョウセンニンジン（(朝鮮人参）と並び称され、人参とオウギ（黄耆）の両方を配合した漢方処方が多い。
イワオウギ Hedysarum iwawogi Haraは和黄耆としてかって同じように用いられたが現在は流通していない
主な成分
・イソフラボン類：フォルモノネチン
・サポニン：アストラガロシド�機銑察▲ぅ愁▲好肇薀�ロシド�機銑�
・アミノ酸類：カナバニン、γ-アミノ酪酸
・多糖類
その他
漢方処方例
強壮、強心、利尿、止汗、血圧降下など保健強壮薬とみなされる処方やその他に配合される。
・黄耆建中湯 （おうぎけんちゅうとう）
・加味帰脾湯 （かみきひとう）
・防已黄耆湯 （ぼういおうぎとう）
・十全大補湯 （じゅうぜんだいほとう）
・人参養栄湯 （にんじんようえいとう）
・半夏白朮天麻湯（はんげびゃくじゅつてんまとう）
・補中益気湯 （ほちゅうえっきとう） など
参考文献
・朝日百科 世界の植物 （朝日新聞社）
・第15改正 日本薬局方解説書 （広川書店）
・最新生薬学 刈米達夫著 （広川書店）
・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 （広川書店）
・生薬単 原島広至著 （株式会社エヌ・ティ・エス）
・日本薬草全書 水野瑞夫、田中俊弘共著(新日本法規出版)
・原色和漢薬図鑑 難波恒雄著 （保育社）
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