エンゴサク／ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡索)
エンゴサク／ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡索)Corydalis decumbens（Thunb）Persoon
真正双子葉植物 Eudicots＞基部真正双子葉植物 Basal Eudicots
キンポウゲ目 Ranunculales
ケシ科 Papaveraceae（ケマンソウ科 Fumariaceaeを含む）キケマン属 Corydalis
生薬名 ：エンゴサク(延胡索)
利用部分 ：�＿�根（地上部が枯れる頃、掘り上げ乾燥） �∩漢�
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名前の由来：エンゴサク(延胡索)は漢方薬の生薬名。江戸時代、伊勢地方では子供たちが本種を
次郎坊、スミレを太郎坊と呼び、互いの花の距を引っ掛けて引っ張いあって勝負を
楽しんだことに由来する名。
関東以西、四国、九州の山林や原野、河川の岸辺に自生する多年草。台湾や中国にも分布している。日当たりの良い草むらであまり樹の茂っていない場所を好んで生える。地中に丸形または不定形な塊根がある。毎年新しい塊根を古い塊根の真上に生じて更新する。早春、この塊根から数本の花茎と根出葉を出す。根出葉は２〜３回３出複葉、小葉は深く２〜３裂する、軟らかくみずみずしい繊細な葉を展開する。草丈１０〜２０ｃｍ程。細い花茎に淡い紅紫色の筒状の花を咲かせる。花の正面は唇形をシソ科の花に少し似ている。後ろは長く筒型に延びていて、これを距（きょ）という。花後たねが数個入っ長さ２ｃｍ程の細長いの朔果が実る。朔果が熟す頃は周囲の草が成長し覆い隠されてしまい気づかないことが多い。
初夏、地上部が枯れた頃、塊根を掘り出し洗って後、茹でて日干し乾燥する。
エンゴサク同様、アルカロイドのブルボカプニン、プロトピン、コリダリン、コリカバミンなどを含み頭痛、腹痛などの鎮痛、鎮痙に用いる。
タチツボスミレ (立坪菫 立壺菫） Viola grypoceras
スミレ科Violaceaeスミレ属Viola
太郎坊の名で呼ばれるスミレの仲間
Photo:洛北 鷺森神社参道 石垣の隙間で咲くタチツボスミレ
スミレは日本の春を代用する草花の１つ。品種も多く、昔子供たちが太郎坊として、遊んだスミレはどの種類なのかは分からないが、スミレの花の中で日本各地の山野でよく見かけるタチツボスミレを取り上げた。タチツボスミレはスミレと異なり花は明るい青紫をしている。葉は丸いハート型。上２枚が上弁、中間２枚が側弁、下が唇弁の５弁の花を横から見ると、後ろ側は尻尾のように距（きょ）があり、蜜腺があり昆虫を誘う。この距をお互いに絡ませ引っ張り合って遊んだ。次郎坊とどちらが強かったのだろうか・・・
参考文献
・朝日百科 世界の植物 （朝日新聞社）
・最新生薬学 刈米達夫著（広川書店）
・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 （広川書店）
・生薬単 原島広至著 （株式会社エヌ・ティ・エス）
・野草の名前 春 高橋勝雄 解説（山と渓谷社）
・原色和漢薬図鑑 下 難波恒雄著(保育社)
・日本の野生植物 草本�供 癖針渕辧�
・山野草ハンドブック 伊沢一男著（主婦の友社）
・日本薬草全書 水野瑞夫監修 田中俊弘編集（新日本法規）
・植物分類表 大場秀章 編著 （アボック社）
所属「科」などは近年の遺伝子ＤＮＡ配列に基づく、新分類体系ＡＰＧ�景�式に従った分類、配列順にしています。各、同じ科内での並び順は、学名の属名アルファベット順になっています（Ｔ．Ｋ）