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タンポポ/カントウタンポポ(関東蒲公英)

商品写真
Photo:東京 旧岩崎邸庭園 カントウタンポポ 

タンポポ/カントウタンポポ(関東蒲公英)Taraxacum platycarpum Dohlst
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids
 >キキョウ群Campanulids
   キク目Asterales
     キク科Asteraceae タンポポ属Taraxacum
  
乳腺炎、乳腺の発育不十分に

生薬名  :ホコウエイ(蒲公英)
利用部位 :根 全草
利用   :漢方処方用薬、民間薬、食用、入浴剤
名前の由来:花の後、丸い綿毛の穂がタンポ(綿球)に似ていることから。

日当たりの良い野原や道端などどこにでも見られる親しみのあるタンポポだが、タンポポ属は北半球の温帯から寒帯が本拠地。亜熱帯や熱帯では極めて珍しい植物。タンポポは種類が多く細分すると1000種を超えるという説もあり、日本にはそのうち20種ほどが自生している。
大きくは日本固有の在来種と外来種のセイヨウタンポポに大別される。セイヨウタンポポは欧州原産で野菜や牧草として輸入したのが全国に広がった。最近身近で眼にするタンポポは殆どがセイヨウタンポポで元来の自生種は減少しているのは残念なことだ。日本在来種は平地型と高山型に分かれる。

在来の平地型はカンサイタンポポ、カントウタンポポ、エゾタンポポ、トウカイタンポポなど。高山型ではミヤマタンポポなどが挙げられる。

在来種、外来種の区別は簡単で、花を束ねるように包む総苞が外側に全部反り返るのが外来種のセイヨウタンポポ、在来種はぴったりとくっつき上に向いている。写真は現在、ドンドン外来種の「セイヨウタンポポ」に駆逐されていっている「カントウタンポポ」。三菱の創始者 岩崎弥太郎氏の本邸 旧岩崎邸の広大な芝生の庭に自生する現在では珍しくなっているカントウタンポポ。

薬用には在来種でも帰化種のセイヨウタンポポでも差はない。タラクサステロール、ホモタラクサステロール、コリン等の成分を含み、消化不良、胃炎などの健胃薬とされている。漢方薬では乳腺炎、乳汁不足などの催乳効果に使う「蒲公英湯」という処方の主薬となっている。蒲公英根は、秋から早春にかけを栽培しています。ビタミンAやC、鉄分、カリウムを含む地上部があまり活動しない時期に根から掘り取り水洗いし乾燥させる。生の葉や花はてんぷら、野菜サラダにと野趣豊かな味が楽しめる。

日本では野草扱いだがフランスでは野菜としてセイヨウタンポポを品種改良し、サラダ用の大きな葉にしたタンポポ、若葉は安全で利用価値の高いハーブとされている。特に根は利尿、強壮があり、乾燥させたタンポポの根は刻んで煎り、タンポポコーヒにもする。


主な成分
   タラクサステロール、ホモタラクサステロール、コリン
主な効果
   ・健胃、胃腸病、便秘、喘息に
   ・乳腺炎、乳腺の発育不十分で母乳の出方が少ないとき母乳の出を良くする。
漢方処方
    蒲公英湯(ほこうえいとう)

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)  
  ・山渓名前図鑑 野草の名前 春 高橋勝雄著 (山と渓谷社)
  ・山野草ハンドブック 伊沢一男(主婦の友社)
  ・ヤマケイポケットガイド ハーブ 亀田竜吉(山と渓谷社)
  ・薬になる花 田中孝治    (朝日新聞社)
  ・植物分類表  大場秀章 編著 (アボック社)

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