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ツワブキ(石蕗、艶蕗)

商品写真
Photo:下関 火の山 砲台跡側に咲くツワブキの花

ツワブキ(石蕗、艶蕗)Farfugium japonicum Kitam
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids
 >キキョウ群Campanulids
   キク目Asterales
     キク科 Asteraceae ツワブキ属 Farfugium

生薬名  :タクゴ(槖吾)
利用部位 :根茎 地上部の葉、葉柄
利用法   :民間薬、食用
名前の由来:艶のある葉が丸くフキに似ていることから。ただしフキの仲間ではない。

丸い葉は1年中青々として艶があり、花の少ない初冬の時期に咲く鮮やかな黄色は、日本庭園の石組みや木の根元などに一層の趣を添えてくれる。日陰でもよく育ち、斑入りの葉を持つものもあり園芸植物として好まれる。元々は暖地の海岸近くに自生している常緑の多年草。草丈は50〜60cm、根から長い葉柄をだし、先端にフキに似た葉をつける。10〜12月、中心から伸びた長い花柄の先には黄色い頭花をたくさん咲かせる。

春先の柔らかい葉柄はフキと同じように食用にできる。アク抜きを1晩行ったもの(アク抜きは必須)を茹でておひたしや、つくだ煮にする。夏から秋にかけて地上部の全草を刈り取り天日干しをし、健胃、食あたり、下痢などに用いる。魚の中毒の解毒にも用いられる。また、 あぶって柔らかくなった葉は打撲や湿疹にも効果があるといわれている


山陰の小京都として有名な津和野はかっては、此のツワブキが多く自生し「ツワブキの生い茂る野」に因んで付けられたという。

―下関市 火の山―
本州最西端の関門海峡に面した標高268.2 mの小高い山。山麓の“みもすそがわ町”からロープウエイも運行されている。山頂からは関門海峡や関門大橋が眼下に望める風光明媚な景勝地。しかしこの場所は古代から外敵の来襲の急を知らせる“のろし台”が置かれていたことから火の山の名前があるぐらい防衛の最前線であった。近世に入ってからも明治時代には砲台が置かれ第二次世界大戦まで陸軍の要塞が置かれていた。その名残が、山上に砲台跡の施設にみられる。
関門海峡は壇の浦の合戦が行われた海でもあり、二位の尼が孫にあたる安徳天皇と共に入水する際に詠んだ辞世の句「今ぞ知るみもすそ川の御流れ 波の下にも都ありとは」の碑が建てられている。幕末には長州藩が、関門海峡を通る外国船を砲撃し馬関戦争の場となった砲台などがあり古今を通じて、地理的に戦の重要な拠点だった。

参考文献

  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・山渓名前図鑑 野草の名前 秋 冬 高橋勝雄著 (山と渓谷社)
  ・山野草ハンドブック 伊沢一男(主婦の友社) 
  ・薬になる花 田中孝治 (朝日新聞社)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)


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