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ハマアザミ(浜薊)

商品写真
Photo:熊野古道 花の窟神社 

ハマアザミ(浜薊) Cirsium maritimum Makino
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids
 >キキョウ群Campanulids
   キク目Asterales
     キク科 Asteraceae  アザミ属 Cirsium
  
日本を代表的する花の一種、アザミの仲間 

別名:ハマゴボウ(浜牛蒡)

利用部分  :根、葉
利用    :食用 
名前の由来 :海浜に生えるアザミの意味。別名のハマゴボウは、根がゴボウのような直根で食用に
      するため。

アザミの仲間は世界に約250種とも300種とも。そのうち日本には何々アザミとして約100種近くが自生し多くは日本の固有種である。アザミはこれらのアザミ属の総称として用いられる。
アザミは美しいだけでなく食用に又、昔から民間薬として日本では利尿や止血、健胃目的に用いられてきた

特に夏の高山地帯には多くのアザミの種類が咲き、夏山を彩る。まさにアザミは日本の代表的な花のひとつともいえる。
その中でも、ハマアザミは主として太平洋側の温暖な海岸に生育し、時にやや内陸で見かけることもあるが、砂地、砂礫地、草原を好む海浜植物。海岸ふちで生育するため、草丈は比較的低く高さ15〜60cm、根を垂直に長く深く砂地に伸ばしている。葉は肉厚で表面は光沢が強く羽状に裂け、葉の縁は鋭い刺に覆われ、裏面は脈上に毛を密生させる。海岸ふちという過酷な生育環境に打ち勝つため、このような姿になったのだろうか。花の時期は7月〜12月頃までと長く、上向きの淡紫色の花を楽しめる。
別名ハマゴボウ(浜牛蒡)とも呼ばれるように、根はゴボウのように野菜として利用される。ゴボウそっくりな良い香りがするようだ。

・食用に利用
茎や根は茹でてアクを出し、ゴボウのようにキンピラにする。又漬物にして食べる。漬物で「ヤマゴボウ」の名で市販されているのは「アザミの根」モリアザミの根。ヤマゴボウという植物もあるが「ヤマゴボウ」の根ではないので要注意。「ヤマゴボウ」はアザミ類とは外観も全く異なるヤマゴボウ科ヤマゴボウ属、有毒植物なので植物名だけで同じと判断するのは危険。
ちなみにヨーロッパで高級食材とされるアーティチョークはチョウセンアザミで同じキク科。

   
・薬用に利用
数あるアザミの仲間で薬用にするのは、夏〜秋にかけて花咲くヤマアザミの仲間。
山あいの湿地に咲くサワアザミや海岸の砂地に自生するハマアザミなどが該当し、タイケイ(大薊)と称し利尿、止血、健胃を目的に民間薬に用いられる。中国では全草を根から上部を刈り取りかげ干しに、煎じて、止血剤や腫れ物に用いたり、関節痛や痔の痛みを治すのに用いる。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・漢方あれこれ 読売新聞社編 (浪速社)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)

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