フキ(蕗)　　

商品写真
上・中：長野県　白馬村 フキノトウ
下：上高地梓川沿いのイチリンソウと混生するフキ

フキ(蕗)　Petasites japonicus Maxim　
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞キク類Asterids
　＞キキョウ群Campanulids
　　　キク目Asterales
　　　　　キク科 Asteraceae　フキ属 Petasites

　早春の訪れを告げる山菜

利用部分　：�＿屬礼押淵侫�ノトウ）　�⇒嬖� 地上部
利用　　　：�〔唄嵬堯⊃�用　�⊃�用
名前の由来：ヤマフフキ（山生吹）から。自生地を表す山と、元気に自生する様子を表す生吹
　　　　　　から、山とフが省略されたとの説など諸説ある。

山にまだ残雪がある早春、フキの葉に先立って地上にフキノトウが現れ、春の訪れを告げる。
フキは雌雄異株の多年草で日本各地のやや湿った土地を好んで山野に自生している。野菜としても栽培が盛んで春の味覚を楽しませてくれる。

フキノトウは多数の苞に包まれた花穂全体（花のつぼみ）のことを言い、苞が開き次第に花茎が伸びて３０ｃｍ位の高さになる３月〜５月頃、雄花は黄白色。雌花は白い花を沢山つけ種子ができる。俗に「トウがたつ」いう。この頃になると硬くなり、食べ頃が過ぎてしまう。人に当てはめ、丁度良い年齢を過ぎてしまったとの余り好ましくない表現にも使われている。種は、タンポポと同じように白い冠毛につつまれ、風に飛ばされていく。

食用にも薬用にも開ききっていない蕾のフキノトウが良い。独特の苦みと香りがあり、天ぷらにしたり、ひとつまみの塩を入れてゆで、冷水にさらし、アクをぬき、味噌汁、煮物・油いため・つくだ煮・ごまあえ・みそあえなどにして早春の味を楽しむことができる。葉と葉柄はゆでてアクを抜き和え物、煮物、佃煮にする。

民間薬としては咳を止めて痰（たん）をとるのにも効き目がある。精油や独特のほろ苦さが持ち味で、 苦味健胃薬として胃のもたれ、胃痛に、食欲増進、消化促進に役立つとされている。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・山渓名前図鑑　野草の名前　春　高橋勝雄著　（山と渓谷社）
　　・山野草ハンドブック　伊沢一男（主婦の友社）
　　・ヤマケイポケットガイド　ハーブ　亀田竜吉（山と渓谷社）
　　・薬になる花　田中孝治　(朝日新聞社)
　　・美味しい山菜ハンドブック　おくやまひさし著　(文一総合出版
　　・植物分類表　大場秀章　編著　（アボック社）

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