ヒヨドリバナ（鵯花）

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上・中：福岡県　宗像大島　蜜を吸うアサギマダラ
下・下：上高地　他の蝶も集まってくる

ヒヨドリバナ（鵯花・火取花）Eupatorium　chinense　Linne・var・Simplicifolum　Kitamura
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞キク類Asterids
　＞キキョウ群Campanulids
　　　キク目Asterales
　　　　　キク科 Asteraceae 　ヒヨドリバナ属 Eupatorium　

渡りをする蝶　アサギマダラの吸蜜植物

生薬名　　：ヤマラン（山蘭）
利用部分 　：全草
利用　　　：入浴剤、ポプリ
名前の由来 ：ヒヨドリの鳴くころ咲くからとも。
　　　　　　花か終わった後、現れる綿毛を乾かした“花がら”が火おこしの材料に使われるから
　　　　　　ひとりばな（火取花）との説など諸説ある。

日本各地の日当たりの良い山地の草原や山道沿いに自生している多年草で、良く見かける。フジバカマと同じ属で外観も花の形もそっくりな形態をしている。中国では山蘭という。
花の色はフジバカマに比べやや白っぽいが多数の頭花が集まって咲く様子も同じ。葉は２枚が対生（向かい合わせに付く）。同じヒヨドリバナで山地の日当たりの良い湿地に生えるのがサワヒヨドリ、葉が４枚輪生する（3枚、または５枚輪生することもある）のがヨツバヒヨドリ（ヨツバのヒヨドリバナ）。葉の裏面に油点がある。いずれも香気があり、ポプリや入浴剤に使われる。

季節により、渡りを繰り返す蝶、海の上を飛ぶ蝶として有名なアサギマダラは涼しい高原で夏をすごす。アサギマダラが好んで吸密するのが丁度此の季節に咲いているヒヨドリバナの仲間。集まってくるのは主にオスの蝶とのこと。オスは吸蜜植物からピロリヂディンアルカロイドを摂取しないと成熟できず，ヒヨドリバナ属などの花に強く誘引される
ヒヨドリ属の花の蜜に含まれるアルカロイド、ピロリジジンアルカロイドが体内に蓄積され、自身を守る防御物質や性フェロモンをつくるためと考えられている。

―福岡県　宗像大島―
2017年「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群としてユネスコ世界文化遺産に登録された島の１つが大島。
ご祭神は天照大神の御子神3柱の女神。姉妹と言われている宗像三女神の次女の姫神様を祭る島。
3柱の神様は末の姫神様が宗像市田島にある辺津宮（へつみや）、中の姫神様が大島の中津宮に、一番上の姫神様が神宿る島と崇められる沖ノ島に祭られている。それぞれの宮は玄界灘にあり、大陸からの交通の要所になっている。海を越えての大陸との交流、自然崇拝に基づく古代祭祀の伝統が受け継がれる遺産群が数多く残されている。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・山渓名前図鑑　野草の名前　秋　冬　高橋勝雄著　（山と渓谷社）
　　・日本の野生植物　草本　Ⅲ　（平凡社）
　　・植物分類表　　大場秀章　編著　（アボック社）

ヒヨドリバナ（鵯花）

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