ツリガネニンジン(釣鐘人参)

ツリガネニンジン(釣鐘人参)Adenophora triphylla A.De Candolle var japonica Hara
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids
 >キキョウ群Campanulids
   キク目Asterales
     キキョウ科 Campanulaceae ツリガネニンジン属Adenophora


生薬名       シャジン(沙参)
利用部分 :①根 ②若い茎葉 
利用   :①民間薬 ②食用
名前の由来:多数の釣鐘状の花と根がニンジン(薬用人参)に似ているため。
       (但し薬用人参の代用にはならない。)

草丈40cmから1mになる全国各地の山野に普通に自生する多年草。初秋の山野に薄紫の釣鐘状形の花を下向きにつける。雌しべの花柱は長く突出し先が3裂する。秋の草原に風が吹くたび、花を揺らし今にも涼しげな音色が聞こえてきそうな可憐な様子は日本の秋を彩る。
茎の節の部分からギザギザのある楕円形の葉を輪生させる。春先の若芽は、山菜のトトキとして食用にされおひたし、各種和え物、汁ものに好まれる。根はキキョウに似て深く伸び直径3cmほどになる。


根の形が薬用のニンジンに似て、かつてはそれに代用されたためツリガネニンジンという名がついたが、薬用ニンジンとは成分も異なり強壮薬としての薬効はなく代用にはならない。サポニンの一種を含み、去痰薬,健胃強壮に用いる。

参考文献
    ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
    ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
    ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
    ・山渓名前図鑑 野草の名前 秋 冬 高橋勝雄著 (山と渓谷社)
    ・山野草ハンドブック 伊沢一男(主婦の友社) 
    ・日本の野草 秋  菅原久夫著(小学館
    ・植物分類表  大場秀章 編著 (アボック社)

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