カボチャ(南瓜)

商品写真
上:長野県白馬村の畑
中:カボチャいろいろ 下:ひょうたん型のバターナッツ

pumpkin
カボチャ(南瓜)Cucurbita moscata Duch.var.toonas Makino
  真正双子葉類Eudicots >中核真正双子葉類Core Eudicots >マメ群Fabids
    ウリ目Cucurbitales
      ウリ科 Cucurbitaceae     カボチャ属Cucurbita

生薬名      :ナンガニン(南瓜仁)
利用部分   :①種子 ②果肉
利用法    :①薬用 ②食用
名前の由来:東南アジアのカンボジアからポルトガル船によって渡来したのに因む。

栄養価は高く緑黄野菜の代表格カボチャは、多くの品種があるが大きく3系統に分けられる。
日本に渡来したのは、天文10年(1541年)ポルトガル船が豊後の国に漂着し、大友宗麟にカボチャやその他の種子を送ったのが最初と言われている。
その時のかぼちゃはニホンカボチャ(Cucurbita maschata Duchesne)小型で果皮には縦に深い溝があり凹凸の多いカボチャ。
現在は後から渡来し果皮が滑らかなセイヨウカボチャ(CucurbitamaximaDuchesne)が主流になっている。

カボチャの原産国は諸説あるが、メキシコから中央アメリカ、南アメリカ北部と推定されている。メキシコの紀元前7000~5500年の遺跡からペポカボチャ(Cucurbita pepo Linne)が発掘されるなど新大陸では紀元前から食用にされていた事が推察される。ペポカボチャは日本で余り食用に栽培されず、別名カザリカボチャの名があるように装飾用や家畜の餌にされる。

ペポの食用種で輪切りにして煮ると淡黄色の果肉がソウメンのように糸状にほぐれる、ソウメンカボチャや近年人気のズッキーニもペポカボチャの分類に入る。


昔から、冬至にカボチャを食べると中風にならないといわれるほどで、黄色の色素βカロテンはプロビタミンAで冬場の栄養に欠かせない。
先人たちの生活の知恵なのだろう。カリウム、ビタミンE 食物繊維 キサントフュル、目に良いカロテノイドの一種「ルテイン」も含み、まさに私たちの食卓の必須野菜とも言える
カボチャの種子、ナンガニン(南瓜仁)は脂肪油34~40%、粗蛋白、ビタミンB1、ビタミンCを含み漢方では条虫駆虫薬にする
。尚古いものは有効でない。


ペポカボチャ(Cucurbita pepo Linne)の系統 

ズッキーニCucurbita pepo Linne'Melopepo'


     カボチャズッキ
     Photo:鳥取 花かい廊 ズッキニーの花

外見はキュウリに似た実がなるが、カボチャ属(カボチャの仲間)

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)


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