カラスウリ（烏瓜）

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Photo：愛知県　祖父江　イチョウの樹木畑にて

カラスウリ（烏瓜）Trichosanthes cucumeroides　Maxim
　真正双子葉類Eudicots ＞中核真正双子葉類Core Eudicots ＞マメ群Fabids
　　　　　ウリ目Cucurbitales　　　　　
　　　　　　　ウリ科 Cucurbitaceae　　カラスウリ属　Trichosanthes

別名：カラスノマクラ　タマズサ(玉章）

生薬名 　　：①オウガコン(王瓜根)､ドカコン(土瓜根）②ドカジツ（土瓜実）　　　
　　　　　　③オウガニン（王瓜仁）ドカニン(土瓜仁）
利用部分　：①根　②果実　③種子
利用　　　：民間薬、漢方薬
名前の由来：実を、烏が好んで食べることから「烏瓜」という説。
　　　　　　カラスが食べ残したとみなされるという説など諸説ある。タマズサ(玉章）の名は、
　　　　　　種子の形が「結び文」に似ることから。

晩秋～冬にかけて、野山が冬枯れる頃、木々に絡まった赤い実がぶら下がっているのを良く見かける。カラスウリ（烏瓜）だ。花は夏の夕暮れ時咲き初め翌朝にはしぼんでしまうので、花を見かけるチャンスは少ないが、白い花びらの先が細く糸状に細裂し、レース状に咲く様子は幻想的で実に美しい。
ウリ科の植物は多くは虫媒花で、細い糸状の花の広がりは花をより大きく見せて、虫を引き寄せる戦略のためと考えられている。夜咲いているため、カメラチャンスは難しい。
カラスウリは多年生の蔓植物で根は塊状に肥大している。秋～冬にかけて根を採取し外皮を取り除き乾燥させる。多量のデンプンを含んでいる。
根をオウガコン(王瓜根）、ドカコン(土瓜根）と称し、漢方では黄疸、利尿、下血、催乳に有効であるとされ、カロコン（括楼根：キカラスウリの根）の代用にされる。
種子をオウガニン（王瓜仁）ドカニン(土瓜仁）と称し根と同様に又、去痰、鎮咳に用いられる。>この種子は変わった形をしていて、種子の形を結び文に見立てタマズサ（玉章）とも、また大黒天が持つ打ち出の小槌に似ていることから、縁起物として財布に入れていると金運があるとして喜ばれる。実は民間薬しては生のまま用い、肌荒れ、ヒビ、火傷に効果がある。

参考文献　
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）　　　　
　　・最新生薬学　刈米達夫著　　（広川書店）　　　　
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）　　　
　　・山渓名前図鑑　野草の名前　秋　冬　高橋勝雄著　（山と渓谷社）　　　
　　・山野草ハンドブック　伊沢一男（主婦の友社　　　　
　　・植物分類表　大場秀章　編著　（アボック社）

カラスウリ（烏瓜）

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