オミナエシ（女郎花）

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上：京都府立植物園
中：春日大社　万葉植物園
下：大阪市立大学附属植物園　

オミナエシ（女郎花）　Patrinia scabiosifolia　Link
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞キク類Asterids
　＞キキョウ群Campanulids
　　　マツムシソウ目 Dipsacales
　　　　　スイカズラ科 Caprifoliaceae オミナエシ属 Patrinia

　
秋の七草の一つ

生薬名　　：ハイショウ（敗醤）
利用部分　：全草、根
利用　　　：民間薬、漢方処方用薬
名前の由来：花のたおやかな様子を「オミナ(女）」に見立て、花の美しさが女の美しさを「ヘシ」
　　　　　　→「圧す（へす）」圧倒する程だ。又　細かい黄色い花を粟に例えたとする説など。

秋の草原に黄色い花を咲かせるオミナエシ。
たおやかでやさしく品のよい趣は、日本人の感性に合う花として万葉の昔から秋の七草の一つに数えられている。多くの詩歌、文学に、また絵画に登場してくるて
オミナエシを女郎花の字をあてるようになったのは延喜年間（９０１～９２３年）の頃からと考えられている。当時は女性のことを女郎（いらつめ）と称していて、後世の遊女の意味ではない。

かつては野山や丘陵のどこにでも自生していた身近な存在だったことから、広く民間薬として使われてきた。
オミナエシもオトコエシも古くなると腐った豆醤（ずしょう）に似た匂いがすることから、生薬名はハイショウ（敗醤）と名づけられた。花の美しさからは想像できないが・・・。
成分にオレアノール酸を含み、この精油成分が臭うのかも。しかしこの精油が血行を良くし、うっ血を取り除いてくれる働きがあり、消炎、浄血の他、化膿している患部から膿を取り去る効力がある。漢方では解熱、消炎、解毒、浄血、浮腫に用いる。　

主な成分
　　オレアノール酸などの精油成分。

漢方処方例
　　・薏苡仁附子敗醤散（よくいにんぶしはいしょうさん）

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・最新生薬学　刈米達夫著　　（広川書店）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・山渓名前図鑑　野草の名前　秋・冬　高橋勝雄著　（山と渓谷社
　　・植物分類表　　大場秀章　編著　（アボック社）

(コメント）
これ迄、植物を系統的に分類する方法ではシダ植物と種子植物、裸子植物と被子植物、単子葉植物と双子葉植物というような方法が親しまれてきたが、近年、ＤＮＡ配列に基づく系統関係から、従来とは異なる配列がとられるようになった。
ＡＰＧによる大分類で、１９９８年に最初の系統的分類ＡＰＧⅠが発表されてから改定が加えられ、現在は２００９年のＡＰＧⅢが発表されるに至っている。その結果オミナエシ科はスイカズラ科に統合されオミナエシ科は消滅した。

オミナエシ（女郎花）

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