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アカンサス

商品写真
上:武田薬品 京都薬用植物園 
中:アカンサスの葉 
下:中の島図書館 円柱の飾り

アカンサス(Acanthus)
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids>シソ群Lamiids
   シソ目Lamiales
     キツネノマゴ科Acanthaaece ハアザミ属(アカンサス属)Acanthus
  

アカンサス・モリス
  和名:ハアザミ(葉薊)
  


利用部分 :根 葉
利用法  :民間薬
名前の由来:ハアザミの名は、大きな葉がアザミの葉に似ているため。

      (ただしアザミはキク科なので、アザミの仲間ではない)

      アカンサスは「とげ」の意味

南ヨーロッパ、北アフリカに野生する、大型の多年草。草丈は1mを超し、葉の大きさも50cmは超える長さで、羽状に深く裂ける。初夏、花茎を高く伸ばし、白地に紫の脈のある唇形花を穂状につける。花は上部に赤紫色でひさしのような萼、下部に苞があり、その間から白〜淡いピンクの唇状の花が咲く。上の唇は発達せず、下の唇状の花弁だけが発達し舌を出したように外に出ている。
アカンサス属には20数種程の種類があり主に地中海沿岸に自生している。主な園芸種はアカンサス・モリス。


力強く、雄大な姿は生命を表すシンボルとしてアカンサス・スピノースス(Acanthus spinosus・L)の葉が図案化され、古代ギリシャ建築のコリント式円柱の柱頭の飾りに用いられてきた

アカンサス模様は建築だけでなく絵画のモチーフとしてギリシャ文化の影響により東西に広がり多くの国に影響を及ぼした。

しかし、日本にアカンサスが知られるようになったのは明治以降、文明開化の影響下で明治期、重厚なコリント式円柱の西洋建築が盛んに建造され、アカンサス模様が知られようになってから。
円柱を見上げると柱頭にアカンサス模様の飾りを見ることができる。
アカンサスは地中海沿岸に野生することから南ヨーロッパ諸国ではどこでも広く栽培され庭園に植えられていたが、日本への渡来はアカンサス・モリスが明治末期。以来園芸品種の代表種としてハアザミの名で広く栽培される。おおらかで存在感あふれる花姿は一際目立ち、イングリッシュガーデンなど洋風の庭園に植えられている。


薬用には、タンニンを多く含むことから根や葉を止瀉、止血に用いる




参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・花と樹の事典 木村陽一郎 監修  (柏書房)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)





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