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カキドウシ(垣通、籬通)

商品写真
上:吉野川 美濃田の淵
下:花博記念公園 鶴見緑地

カキドウシ(垣通、籬通)Glechoma hederacea Linne
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids>シソ群Lamiids
   シソ目Lamiales
     シソ科 Lamiaceae カキドウシ属Glechoma

 
   別名:カントリソウ(疳取り草)

生薬名  :レンセンソウ(連銭草)
利用部位 :全草
利用   :民間薬、薬草茶
名前の由来:伸びた蔓が垣根を通り越すほど勢いよく伸びることからカキドウシ。

      別名カントリソウは子供の癇を取り除く薬として使われるため。

      生薬名レンセンソウは丸い銭のような葉が連続することから。

我が国各地の野原や田んぼのあぜ道など、どこにでも生えている雑草のような存在の多年草。名前の由来のように非常に勢いがあり、伸びた茎からまた新しく根を下ろすので、農作業の方にとっては厄介な存在だが薬草としては相当な効果が知られ、昔から民間薬に繁用されてきた。


茎ははじめ直立し高さ5〜25cm位。春、淡紫色、唇形状の花をつける。花弁の紫色の斑点は蜜標で、昆虫を呼び寄せる。花が終わると茎は地表に倒れて蔓となり1m以上伸び、伸びた茎の節からまた新しい根を下しドンドン広がり大株になり繁茂する。


近縁種でヨーロッパ産の一つである斑入り葉のカキドオシ、セイヨウカキドウシがグランドアイビーと言われているのも旺盛なその育ちを表し、ハーブのグランドカバーとして親しまれている。


全草に芳香があり、葉をもむとハッカに似た爽やかな香りがする。シソ科の薬草なのだと実感させられる。精油、タンニン、コリンその他を含み頭痛を和らげる効果や解熱、利尿効果がある。日本ばかりでなく世界中で薬として使われており、ヨーロッパでは主に強壮剤として知られている。


開花時に全草を刈り取り、日陰干しにする

全草が虚弱児の疳の虫を取り、糖尿病、膀胱結石 風邪などに用いられる。又若い葉から作ったハーブティは強壮薬にもなり、風邪や咳を和らげる。


成分
 ・精油成分:テルペン類 ノピネン、オリダレン、ベチバアズレン、

 ・その他コリン

 ・ウルソール酸 

 ・硝酸カリウムなど

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・山渓名前図鑑 野草の名前 春 高橋勝雄著 (山と渓谷社)
  ・山野草ハンドブック 伊沢一男(主婦の友社) 
  ・ヤマケイポケットガイド ハーブ 亀田竜吉(山と渓谷社)
  ・日本の薬草全書 中山草司 啓明書房
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)


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