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キランソウ(金瘡小草、金襴草) 

商品写真
上・下:高知県 大豊町の山中

キランソウ(金瘡小草、金襴草)Ajuga decumbens Thunb
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids>シソ群Lamiids
   シソ目Lamiales
     シソ科 Lamiaceae キランソウ属 Ajuga
      
別名:ジゴクノカマノフタ(地獄の釜の蓋)

生薬名  :キンコツソウ(筋骨草)
利用部位 :開花期の全草
利用   :民間薬、
名前の由来:紫色でランの花を思わせる花の形から「シランソウ(紫蘭草)」がなまって

      キランソウに変化し中国名の金瘡小草の漢字を当てたと考えられている。

本州、四国、九州に分布し人家の庭先、道端から山地まで日当たりのよいところに自生している。
地面に平たく這い蹲ったような匍匐性の植物で、葉をロゼット型の放射状に広げ、やや赤みを帯びた葉はタンポポのように葉の縁がノコギリ状に切り込み全体に細かいちぢれ毛が生えている。

早春に数本の茎を四方に伸ばし節にシソ科特有の青紫色の花を咲かせる。種名のdecumbensデクンベンスは「地を這っている」という意味。属名のアユガとは「対をなさない」の意味で上下の花唇の大きさがきわめて不揃いであることから付いた名前で、上唇はごく短く2裂し目立たない。一方下唇は大きく3裂している。

地面にへばりついているように見えることからか、別名をジゴクノカマノフタ(地獄の釜の蓋)という恐ろしげな名があるが、実際はいろいろの薬効により「病気を治して地獄の釜にふたをする。死ななくなる」意味とも、しかし、詳しくは不明。


中国では古くから、開花期の全草をキンコツソウ(筋骨草)と称し薬草として、高血圧、鎮咳、去痰、解熱、健胃、下痢止めなどに効果があるとして用いてきた。

近縁種にジュウニヒトエ(A. nipponensis)がある。
キランソウに似るが、茎は立ち上がり、花は穂状に着く。春に白に近いうすい紫色の花が重なるように咲かせる。この様子を昔女官が着た十二単に見立てた日本の特産種、分布は本州と四国に限られている。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・山渓名前図鑑 野草の名前 春 高橋勝雄著 (山と渓谷社)
  ・山野草ハンドブック 伊沢一男(主婦の友社) 
  ・花と樹の事典 木村陽一郎 監修  (柏書房)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)


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