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ネズミモチ(鼠黐)

商品写真
上:博多志賀島5mm程の白い花の円錐花序。
中:宮崎県 日向岬
下:洛北 鷺森神社

ネズミモチ(鼠黐) Ligustrum  japonicum Thunberg
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids>シソ群Lamiids
   シソ目Lamiales
     モクセイ科 Oleaceae イボタノキ属 Ligustrum


別名:タマツバキ

生薬名  ジョテイシ(女貞子)又は、ワジョテイシ(和女貞子)
利用部位 :実、葉、樹皮  
利用     :民間薬、薬用酒
名前の由来:黒い実がネズミの糞に、葉がモチノキに似ていることから。

関東地方南部から沖縄迄と朝鮮半島南部の暖地に分布し、特に海沿いに多く自生している。常緑の小高木で高さ6mぐらい。元来、公害に強く刈り込みにもよく耐えるので生垣、街路樹、公園の木、高速道路などによく植えられている。


初夏6月頃、良い匂いのする小さな白い花を円錐状に咲かせる。モクセイ科の植物らしく甘い香を漂わせ、多くの昆虫を引き寄せる。


秋になり実は熟すと黒くなる。この実をネズミの糞に例えたもので、少々気の毒な名ではあるがこの実が薬用になる11月頃黒く熟した実を摘み取り、水洗いをして日干する。これをジョテイシ(女貞子)、ワジョテイシ(和女貞子)といい漢方では強壮薬にする


なお中国産のジョテイシ(女貞子)は、トウネズミモチLigustrum lucidum Aitonの果実でネズミモチより木も葉も大きく、都会地に広く一般に植樹されている。
両者は区別なく女貞子と称し、共に薬用にされている。
形状は本種の果実が楕円形をしているのに対し、トウネズミモチの果実は球形に近い。

成分
    トリテルペン、マニトール、脂肪酸など
利用と効果 

 ・実 :強心、利尿、緩下、強壮、強精薬として古くから用いられてきた
    特に、内臓の諸器官を丈夫にするとし、肝臓、腎臓、腰膝を強くして、精力も養  

    い、若白髪、月経困難にも効き目があるとされている。また視力が減退する、目 

    がかすむなど眼科でよく使用される。果実酒にもできる 
 ・樹皮:解熱と抗マラリア薬として、かぜの熱に効き目があるとされている。
 ・葉 :抗菌作用があり樹皮と同様に解熱の目的で用いられる。
 

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・花と樹の事典 木村陽一郎 監修  (柏書房)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)>


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