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レンギョウ(連翹)

商品写真
上・中・下:京都府立植物園 
下は満開のレンギョウ 花後、若葉が出てくる。

レンギョウ(連翹)Forsythia suspense Vahl
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids>シソ群Lamiids
   シソ目Lamiales
     モクセイ科 Oleaceaeレンギョウ属 Forsythia

春の訪れを告げる花木

生薬名  :レンギョウ(連翹)
薬用部分 :果実(夏〜秋、成熟直前を採取、茶褐色になるまで乾燥させる。)
利用   :日本薬局方生薬、漢方処方用薬。
名前の由来:枝に実が連なって付くことから、連翹は漢名をそのまま音読みしたもの。

      中国で連翹という名はオトギリソウ属の「トモエソウ」及び「オトギリソウ」を  

      指すのに使われる。トモエソウを大連翹、オトギリソウを小連翹として区別する  

      が日本薬局方では、モクセイ科の本種Forsythia suspensa Vahlをレンギョウとして
      いる。

春を告げる花の色は黄色で始まる。菜の花、タンポポ、レンギョウもそうだ。
元々は中国原産でややつる性の落葉低木。新枝はしだれて長く伸び、地に付けばそこから根を下ろす。枝の髄は中空になっているので、別名レンギョウウツギ(連翹空木)ともいう。暑さや寒さにも強く、大気汚染や病虫害にも強くどんな土壌でも育つ。早春葉の出るのに先立ち黄色の花冠が深く4裂する花を枝にびっしり咲かせる。
その鮮やかで目の覚めるような黄色は美しく、観賞用に日本や欧米でも、庭木や公園、垣根などに植えられる。

花の後、小さなさく果が実るがこれが薬用になる。成分にトリテルペノイドとしてオレアノール酸(oleanolic acid)など、リグナンとしてアルクチゲニン(arctigenin)、リグナン配糖体としてアルクチイン(arctiin)、カフェー酸配糖体、アルコール類を含む。
抗菌、消炎作用があり漢方では「るいれき」疥癬、腫れ物などの消炎、利尿、解毒、排膿に、また皮膚病に広く用いられる。中国市場の連翹はシナレンギョウForsythia viridissima Lindleyの果実が用いられている。

主要成分
 ・リグナン:アルクチイン、アルクチゲニン、フィリリン、マタイレシノール、
       ピノレシノール、ピノレシノールグルコシド、
 ・フェネチルアルコール配糖体:フォルシチアシド、サスペンサシド
 ・フラボノイド:ルチン
 ・トリテルペノイド:オレアノール酸

漢方処方薬
  消炎排膿薬、皮膚疾患用薬とみなされる処方に配合される。
   駆風解毒湯(くふうげどくとう)
   ・荊芥連翹湯(けいがいれんぎょとう)
   ・治頭瘡一方(づずほういっぽう)
   ・響声破笛丸(きゅうせいこてきがん)
   ・荊防敗毒散(けいぼうはいどくとう)
   ・柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)

   ・十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

   ・清上防風湯(せいじょうぼうふとう)

   ・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
                          など多数に配合、
参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・第15改正 日本薬局方解説書 (広川書店)
  ・最新生薬学 刈米達夫著(広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・生薬単 原島広至著(株式会社エヌ・ティ・エス)
  ・薬になる花 田中孝治 (朝日新聞社)
  ・花と樹の事典 木村陽一郎 監修(柏書房)
  ・日本の薬草全書 中山草司 (啓明書房)
  ・植物分類表 大場秀章編著 (アボック社)


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