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カンレンボク(旱蓮木)

商品写真
Photo:大阪市立長居植物園 上・中:カンレイボクの花 
下:カンレイボクの果実

カンレンボク(旱蓮木) Camptotheca acuminata Decne
  真正双子葉類Eudicots >中核真正双子葉類Core Eudicots >キク亜綱Asteridae   
   ミズキ目Cornales
                   ミズキ科 Cornaceae  カンレンボク属 Camptotheca

抗癌剤イリノテカンの創薬起源植物 

   別名:キジュ(喜樹)
   英名:Cancer tree、Tree of Life、Happy treeとも


薬用部分 :果実、根など植物全体
利用   :抗癌剤イリノテカンの創薬起源植物
名前の由来:中国名の「旱蓮木」をそのまま音読みしたもの。

      またキジュ(喜樹)は強い生命力と多くの実をつけることから、子孫繁栄に       

      たとえられる喜びの木の意味

原産地は中国雲南省。サクラの葉を大型にしたような葉をした落葉高木。生長は旺盛で高さは軽く10mは超える高木になる。
花期は8月初旬から9月にかけて、サクラとは全く違った5弁の淡緑黄色の花が丸く集まり、球状になった特徴のある花を咲かせる。秋、集合果を形成する。黄色で小さなバナナの房が球状に付いたようで美しい。日本へは大正時代に渡来した。

この木が注目されるようになったのは、1966年米国癌研究所(NCI)の抗腫瘍薬開発のスクリーニングでカンレンボクに強力な抗腫瘍活性物質カンプトテシ(camptothecin)が見出されたことによる。


カンプトテシンそのままでは、抗癌作用と同時に正常細胞にも強いダメージを与えることから実用化はされなかったが、カンプトテシンの構造類似で副作用を軽減した誘導体イリノテカン (irinotecan) が開発された。現在、抗癌剤として実用化。トポテカン (Topotecan)、カンプト(Campto)イリノテカン(Irinotecan)の名で臨床に用いられている。

イリノテカンは国内で、肺ガン、胃癌、大腸ガン、乳癌、子宮頸癌、卵巣癌などの婦人科ガンなどの広範な腫瘍に有効で肺ガン、大腸がんの標準治療薬になっている。また海外では、大腸ガンの第一選択薬として使用されている。


参考文献
   ・朝日百科 世界の植物
   ・山渓カラー名鑑 日本の樹木 (山と渓谷社)
   ・製薬会社 インタビューホーム
   ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)


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