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ウイキョウ(茴香)

商品写真
上:東京都庭園美術館 
中・下:京都府立植物園

ウイキョウ(茴香) Foeniculum vulgare Miller
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids
>キキョウ群Campanulids
   セリ目Apiales
     セリ科 Umbellifera ウイキョウ属 Foeniculum 


別名:フェンネル

料理や薬用に用途の広い香草 


生薬名  :ウイキョウ(茴香)  
利用部位 :種子、茎、葉
利用   :日本薬局方生薬 漢方処方用薬、スパイス、ウイキョウ油原料
名前の由来:主成分アネトールの強い香りが魚肉の香りを回復させる香辛料であるこ  

      とからウイキョウ(茴香)と名づけられた。

代表的な香辛料の一つ。フェンネルの名でも親しまれている。 元々、地中海沿岸が原産地でローマ時代から薬や香辛料に使われてきた。 春に種をまくと、初夏〜夏にかけて大きな複散形の花序に多数の小さな黄色の花をつける。秋にはこれらの花から種子が多く出来る。


薬用にするのはこの種子。良い香りがするのはアネトール、ピネン、フェンコンなどの精油成分で、これらが胃腸の働きを促し、消化器の機能を良くしてくれる

ウイキョウ(フェンネル)は糸状に細かく裂けた若葉が次々に出てくるため年中利用できる。
葉や茎にも消化促進の作用があり、特に魚料理の臭みとりに用いられる。マリネ、グラタン、スープなどの料理に用いると見た目も美しい。

種子の茴香は調味料として食品に添加して甘味ピクルスやパンやケーキ、菓子の風味づけに使われる。料理のスパイスにフェンネルが使われるのは本当に理に適った使われ方だ!!


成分

  精油成分3〜8%

 ・フェニルプロパノイド:アネトール57〜82%、エストラゴール5〜6%含有。
 ・モノテルペノイド:d−フェンコン6〜27%

 ・その他リモネン、ピネン、モノテルペンのアニスアルデヒドなど6〜27%含有。    

    (アニスアルデヒドはアネトールの経年変化により生成されるといわれる。)

用途
 ・粉末(ウイキョウ末):芳香性(良い香りのする)健胃薬として配合剤(胃腸薬)の原 

  料にする。
 ・漢方処方用薬でもあり胃痛、腹痛、胃拡張などの胃腸疾患の健胃消化薬、鎮痛鎮   

  痙薬とみなされる漢方処方や去痰薬に配合される。

   漢方処方例
    ・安中散  (あんちゅうさん)
    ・丁香柿蔕湯(ちょうこうしていとう)
    ・枳縮二陳湯(きしゅくにちんとう)   など

 ・ウイキョウ油原料(芳香剤)
   ウイキョウの果実を水蒸気蒸留して精油を得ている。色は無色〜微黄色。

   痰の切れをよくする去痰剤アンモニア・ウイキョウ精の製剤原料にされる
 ・スパイスとして種々の料理に
   魚料理やピクルスの風味つけに。

 ・パスティスやアクアヴィットなどの酒類、リキュール類の香り付けにも用いられる。


参考文献
   ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
   ・第15改正 日本薬局方解説書 (広川書店)
   ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
   ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
   ・生薬単 原島広至著    (株式会社エヌ・ティ・エス)
   ・ヤマケイポケットガイド ハーブ 亀田竜吉(山と渓谷社)
   ・ハーブ大全 リチャードメイビ著 (小学館)
   ・植物分類表  大場秀章 編著 (アボック社) 


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