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シシウド(猪独活)

商品写真
上・下:霧ガ峰  シシウドの花

シシウド(猪独活)Angelica pubescens Maximowicz 
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids
>キキョウ群Campanulids
   セリ目Apiales
     セリ科 Umbelliferae シシウド属 Angelica
 
 「ウドの大木」のウドとは異なるセリ科のウド

生薬名   :ドクカツ(独活) キョウカツ(羌活)
利用部分  :根(老根を独活、若い根を羌活)
利用    :民間薬
名前の由来 :ウコギ科のウドに似た壮大な様子であるが食用にはならない。

      猪なら食べるかも、でシシウド。

日本の特産種で本州以南各地の山地に自生する多年生草本。日当たりの良いやや湿った草原で、草丈1〜3mに達する。大型の傘を広げたような白い花を咲かせる。一際目立った存在感あふれる花だ。カサモチ、アマニュウなどセリ科の植物はいずれも良く似ていて鑑別が難しい。
葉は大振りで2〜3回3出羽状複葉(鋸歯のある長楕円形の小葉が3枚3方向に出るのを3出、これが1セット。この形が3〜5セット集まり1枚の葉を形成する。
長楕円形の小葉は鋸歯(葉の縁にギザギザの切れ込み)があり、茎の上部の葉は葉身が退化し袋状になった葉柄が若枝や花序を包み込んでいる。
8〜9月、白色の小さな花を傘状につける。1個の花は直径4mm程。

秋11月ごろ根を掘り上げる。強い香味があり根を独活と称し発汗、解熱、頭痛に用いる。風邪や浮腫に効果がある。神経痛、リウマチ、冷え性などには浴剤にすると良い、ヨモギを混ぜると温まりより効果的。

江戸中期の本草学者、小野蘭山はドクカツ(独活)の原植物にシシウド、キョウカツ(羌活)に ウドモドキを当てたが、ドクカツ(独活)と称する市場品は、ウコギ科のウドの根が多い。

成分
  ・クマリン類:グラブララクトン、アンゲリカール、アンゲロール、オストール
  ・脂肪酸:ペトロセリン酸、パルミチン酸、リノレイン酸
  ・有機酸:アンゲリカ酸 
                                など
主な薬効と応用例
   発汗、駆風、鎮痛、浮腫を取る作用があり風邪、頭痛に応用される。乾燥した根   

   を袋にいれ薬湯にすると冷え性に良く神経痛、リウマチに良い。

漢方処方例

  ・独活葛根湯(どっかつかっこんとう )  
     肩こり、五十肩、身体疼痛、などに

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・山渓名前図鑑 野草の名前 秋・冬 高橋勝雄著 (山と渓谷社)
  ・山野草ハンドブック 伊沢一男(主婦の友社
  ・植物分類表  大場秀章 編著 (アボック社)


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