薬草と花紀行のホームページ

コリアンダーCoriandrum sativum Linne.
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞キク類Asterids
　＞キキョウ群Campanulids
　　　セリ目Apiales
　　　　　セリ科 Apiaceae　コエンドロ属 Coriandrum

　　和名 ：コエンドロ、タイ名 ：パクチー、中国名 ：香菜（シャンツァイ)　 　

生薬名　　 ：コスイシ（胡荽子）　コエンドロ実　
利用部位 　：種子　葉
利用　　　 ：香辛料、料理（エスニック料理）、薬用
名前の由来 ：全草や未熟果実に含まれる成分が Corisコリス「カメムシ」のような独特の香りが
　　　　　　するから。しかし果実は完熟するにつれ、アニス実のような良い香りがするよう
　　　　　　になる。　

地中海沿岸地方が原産。草丈３０～６０ｃｍになる1年草。旧約聖書にも記載があるほど歴史がある。全草に独特の個性的な香りがあり、古くから世界的に親しまれているハーブ。細かい切れ込みの入った葉は、上部は細く基部の葉は２回羽状複葉で幅は広い。初夏、白か薄紫の小花の集合花を咲かせる。

コリアンダーはタイではパクチー、中国料理では香菜（シャンツァイ）と称し、欠かすことの出来ない香味料になっている。
若葉や茎は料理に添えたり、細かく刻んで料理の上に散らして使う。魚や肉料理に使うと、食欲をそそり美味しさが増す。
未熟果実や全草にはカプリンアルデヒドが含まれカメムシ、南京虫のような好ましくない匂いがする。しかしこれが成熟すると、結実した丸い果実はリナロールを主成分とする精油を含み、良い香りがするようになる。

果実を乾燥したものはコスイシ（胡荽子）とよばれ、ヨーロッパ薬局方にも指定されているほどで、食欲増進、胆汁分泌促進、消化をよくするなど健胃作用、駆風作用、去痰作用があり薬用に供される。スパイスとしての用途も広く、カレー粉、ソーセージ、ソース、スープの製造用の香料として使われる。

成分
　果実　　　
　　　・精油０.８～１％：リナロール、ピネン、コリアンドロール
　　　・脂肪油１０～２０％
　全草
　　　βカロテン、ビタミンＥ、ビタミンＫ、カルシウムなど

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・最新生薬学　刈米達夫著　　（広川書店）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・ヤマケイポケットガイド　ハーブ　亀田竜吉（山と渓谷社）
　　・ハーブ大全　リチャードメイビ著　（小学館）
　　・植物分類表　　大場秀章　編著　（アボック社）