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ハマボウフウ（浜防風）

商品写真
上・中：大阪薬科大学薬用植物園　花と光沢のある厚く硬い葉。
下：ハマボウフウの赤いi葉柄

ハマボウフウ（浜防風）Glehnia littoralis Fr.Schmidt ex Miquel
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞キク類Asterids
＞キキョウ群Campanulids
　　　セリ目Apiales
　　　　　セリ科Umbelliferae　ハマボウフウ属 Glehnia

生薬名　　：ハマボウフウ（浜防風）ヤオヤボウフウ（八百屋防風）　
利用部分　：�〆�、根茎　�⇒嬖舛里弔い人奸�
利用　　　：�‘�本薬局方生薬、漢方処方用薬、薬用、お屠蘇　�⊃�材
名前の由来：海岸の砂地に生え、風邪を予防する薬草「防風」に薬効や香り、根の様子が

　　　　　　似ていることからハマボウフウ（浜防風）に。また砂地に深く根を下ろし風に

　　　　　　よる砂の移動を防ぐことから名付けられたとの説もある。


海岸の砂地に自生する海浜植物。浜風の強風に耐えるよう砂地に深く根を下ろす一方、地上茎は短く草丈は僅か５〜１０ｃｍ。２回３出羽状複葉の楕円形の葉は鋸歯があり、ロゼット状に広がる。

若い紫紅色の柄は爽やかな香気があり刺身のツマや料理のあしらいなど日本料理に重宝され、高級食材の1つになっている。
食材として八百屋で売られていることから「八百屋防風」の名でも呼ばれる。初夏、株の中心部に白い小さな花が沢山集まり半球状の塊を形成する。
昔は野生品を採取したが、現在は栽培品が主となっている。葉に刻み（鋸歯）の多い切葉種と刻みの少ない丸葉種があるが、外観の美しさから切葉種が好まれまる。4月頃、水はけの良い川砂に種をまき、株を養成する。


刺身のツマの他、お吸い物、茶わん蒸し、またゆでて酢醤油にしても美味しい。
発汗、解熱、鎮痛作用があり、和産防風の一種で同じセリ科の薬草「防風」の代用生薬として、風邪薬など使う。しかしかつては品不足からボウフウの代用にしたが、供給が増加している今日ではなるべく正品(真防風)を用いている。


真夏の気温の高い時掘り上げ、陰干しでよく乾燥させる。お正月を寿ぐお屠蘇の屠蘇散に配合されたり、浴剤に利用される。

成分・主な効果
　　　・精油成分：モノテルペン配糖体類
　　　・クマリン配糖体

　　　　　　（オステノール‐７‐ゲンチオビオシド、ベルガプテン、インペラトリンなど）
　　　・フラノクマリン配糖体

利用法
　　　・漢方処方薬として・風邪などの解熱、鎮痛、発汗、頭痛、関節痛にボウフウの　　

　　　　代用に種々の処方に配合される。（ボウフウを参照）
　　　・浴剤に

　　　　　　乾燥した根２００〜３００ｇを袋にいれ煮たてて、煮汁ごと風呂に入れる。
　　　　　　血行が良くなり温まる　疲労回復、筋肉痛の緩和、風邪の予防に最適。
　　　・お正月のお屠蘇に
　　　　　

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・第15改正　日本薬局方解説書　（広川書店）
　　・最新生薬学　刈米達夫著　　（広川書店）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・山渓名前図鑑　野草の名前　夏　高橋勝雄著　（山と渓谷社）
　　・山野草ハンドブック　伊沢一男（主婦の友社）　
　　・美味しい山菜　おくやまひさし（文一総合出版）
　　・食材事典　　原田孝子監修（学研）
　　・新食品成分表　２０１７年(東京法令出版株式会社)
　　・植物分類表大場秀章　編著　（アボック社）


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