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オールスパイス (allspice)

商品写真
上・中:花博記念公園 咲くやこの花館 オ−ルスパイスの花と蕾
下:日本新薬 山科植物資料館

オールスパイス (allspice) Pimenta dioica Merr
 真正双子葉類Eudicots >中核真正双子葉類Core Eudicots
   フトモモ目Myrtales
    フトモモ科 Myrtaceae オールスパイス属 Pimenta

別名:ピメントノキ、ピメンタ、ジャマイカペッパー
    百味胡椒、三香子


利用部分  :完熟前の果実、葉
利用    :香辛料、ポプリ 
名前の由来 :スパイス界のビッグスリー シナモン・クローブ・ナツメグの3つの香りを兼ね備え
      ていることから。
      実の形がコショウに似ているのと、原産地の名をとってジャマイカペッパー。

西インド、メキシコなど中南米が原産。大半をジャマイカが生産する。樹高7〜12mの常緑の小高木。葉は対生、葉の長さ10〜15cm。全縁、深緑色で光沢があり、裏面に油点がある。春から初夏、花弁が4枚、がくも4枚、雄しべは多数の白〜緑色を帯びた白い小さな花を咲かせる。

花のあと、直径4〜7mm程、球形の果実がなる。完熟前の緑色の果実を収穫し、天日干しすると紅褐色になる。この形がコショウ(ペパー)に似る事からペパーの意味のピミエンタから、ピメントと呼ばれる。果実には精油成分を3〜4.5%含む。特に果皮には多く含くみ良い香りがする。

シナモン・クローブ・ナツメグの3つの香りを混成したような香り、甘いものにも辛いものにも良くあい、広範囲の料理に使われる万能香辛料であることから、17世紀にオールスパイスの名がつけられた。
芳香性薬味として、カレー粉、ソースを始め、ハンバーグ、ソーセージなどの肉料理に用いる。
鼓腸(腸管内や腹腔あるいは 腹膜腔内にガスがたまって腹部 膨満感や不快感、時に腹痛を生じる)を緩和する。ポプリにも用いられる。


枝葉を水蒸気蒸留すると、精油が得られる。この精油はAllspice oil(オールスパイスオイル)として同属のピメンタ・アクリス (Pimenta acris)から得られるベイ油(bay oil)と同様、頭髪用ベーラムの香料にする。

頭髪用ベーラムとは

無油性の頭髪用整髪用剤、元々はオールスパイスと同属のピメンタ・アクリスの葉をラム酒に浸したもので、皮膚病治療薬であったものが改良され頭髪用にされた。
現在は枝葉を水蒸気蒸留して得られるベイ油を、アルコールに溶解している。ふけ取り、養毛、整髪に使う。

成分
精油:オイゲノール シネオール、フェランドレン カリオフィレンなど


参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)   
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・ハーブ大全 リチャードメイビ著 (小学館)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)

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