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カギカズラ(鉤葛)

商品写真
上:熊野古道 馬路峠 鉤葛の棘
中・下:日本新薬山科資料館 球状に集まって咲く花  

カギカズラ(鉤葛)Uncaria rhynchophylla Mique
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids>シソ群Lamiids
   リンドウ目Gentianales
     アカネ科 Rubiaceae カギカズラ属 Uncaria
 

    認知症への有効性が注目される 抑肝散に配合


生薬名  :チョウトウコウ(釣藤鈎、釣藤鉤)
利用部分 :かぎ状の“とげ”、“とげがついた短い茎
利用   :日本薬局方生薬 漢方処方用薬
名前の由来:かぎ状のとげをもつ藤の意味

中国や本邦の暖地の山林や林の縁に自生する常緑蔓性植物。茎は方形で無毛。
葉の脇に付くかぎ状のとげをフックにして他の植物に絡みつき成長する。
本来は側枝になる茎が変形しかぎ状になったもので、カギカズラをよく見ると興味深いことに1個の”かぎ”をもつ節と2個の”かぎ”をもつ節が交互に現れる。
かぎ状のとげが2個両側に対生するのを双釣藤。1個単生するのを単釣藤といい薬用にはこのとげ、とげの付いた短い茎が用いられる。
春と秋に”かぎ状のとげ”を伴った茎を切り取り、日干しにする。とげの部分は他の部分(葉や茎)よりも多くのアルカロイドを含んでいる。アルカロイドの主要成分リンコフィリンは血管を拡張し高血圧を改善する。漢方では頭痛、のぼせ、精神的興奮、心悸亢進など、高血圧症に伴って起こる症状に用いられる。
また、小児のひきつけの鎮痙、精神的興奮の鎮静薬に用いられる釣藤鈎が配合される漢方処方薬、「抑肝散」が近年、認知症患者のイライラ、易興奮性などの症状に有効であることが報告され認知症にも使われるようになり注目されている。

主な成分
インドールアルカロイド

   リンコフィリン、イソリンコフィリン、ヒルスチイン、コリナンテイン、

   ジヒドロコリナンテイン、ガイソシジンメチルエーテルなど

漢方処方例
   漢方処方用薬として、血圧降下や消炎、鎮痙の目的で配合される
    ・七物降下湯(ひちもつこうかとう)
    ・釣藤散(ちょうとうさん)
    ・抑肝散(よっかんさん)
    ・抑肝散加陳皮半夏 (よっかんさんかちんぴはんげ)
      カギカズラ拡大 
     <カギカズラ 花の拡大>球形に集まって咲く花   

参考文献
    ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
    ・第15改正 日本薬局方解説書 (広川書店)
    ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
    ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
    ・生薬単 原島広至著    (株式会社エヌ・ティ・エス)
    ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)


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