オオバコ（大葉子）

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Photo：安曇野　大王わさび園　

オオバコ（大葉子）Plantago asiatica　Linne
真正双子葉植物Eudicots＞中核真正双子葉植物Core Eudicots＞キク類Asterids＞シソ群Lamiids
　　　シソ目Lamiales
　　　　　オオバコ科 Plantaginaceae　オオバコ属 Plantago

生薬名　　：①シャゼンシ（車前子）②シャゼンソウ（車前草）
利用部分　：①種子　②花期の全草
利用　　　：日本薬局方生薬　漢方処方薬　瀉下薬原料
名前の由来：葉が広く大きいことからオオバコ(大葉子)。

　　　　　　車前は昔、車（牛車・馬車）が通る道の端に多く生えることからの名前。

日本全土は無論、中国大陸を始め、東アジア全般にくまなく野生している多年草。雑草のような存在。実際オオバコを雑草と思い、私たちの健康に役立つ薬草だと思う人は少ない。
雑草は踏まれても、踏まれても育つがオオバコも踏みつけに強い。短い地下茎から葉が四方に広がり、草丈１５～２０ｃｍ位。丈の高い草に混じると負けてしまい却って育たない。人が歩く道がある限りオオバコの生えていない所はないと言われている程、他の草が生えない人などがよく踏む道路脇、日の当たる場所に生える。

オオバコの属名Plantagoは植物学者リンネが命名したものでPlanta「足の裏、足跡」とago「運ぶ」を組み合わせたもので、正にオオバコの繁殖習性をよく表現している。

オオバコの種子は水を含むと外表皮に含まれる成分によって粘液が生じ、人の足の裏や車輪について遠くに運ばれ、乾くと道端などに落ちてそこで増えて行く。オオバコが生えていることは、人の往来がある目印となり、人里が近いことを表している。
「車前」という漢名も牛馬の通る道端に生えるオオバコの習性をよく表現した名で轍（わだち）草の名がある。

オオバコの種をシャゼンシ（車前子）といい咳止め、去痰、消炎鎮痛、利尿、胃腸病、下痢止め、止血に使われる。
葉は暖めて腫れ物の吸出しや切り傷に患部に張って民間薬としても使われる。若い葉は食用になり、乾燥させた葉はオオバコ茶として健康茶にすることが出来る。花時に全草を採取する。
ごく身近に多く自生している薬草なので、採取し上手に利用したいものだ。

主な成分　　

　　　　・イリドイド配糖体：アウクビン、
　　　　・フラボノイド配糖体：プランタギニン、ホモプランタギニン、プランタゴシド
　　　　・粘液質の多糖類：プランタザン、プランタゴムシラーゲA
　　　　その他、カリウム塩、アデニン、コリン、

漢方処方例

　　尿路疾患用薬とみなされる処方に少数例配合されている。
　　また鎮咳去痰薬などの配合剤の原料にする。
　　　・牛車腎気丸（ごしゃじんきがん）
　　　・五淋散　　（ごりんさん）
　　　・清心蓮子飲（せいしんれんしいん）
　　　・竜胆瀉肝湯（りゅうたんしゃかんとう）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　など
参考文献
　　　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　　　・第15改正　日本薬局方解説書　（広川書店）
　　　　・最新生薬学　刈米達夫著　　（広川書店）
　　　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　　　・生薬単　原島広至著　　　　（株式会社エヌ・ティ・エス）
　　　　・山渓名前図鑑　野草の名前　春　高橋勝雄著　（山と渓谷社）
　　　　・山野草ハンドブック　伊沢一男（主婦の友社）　
　　　　・植物分類表　大場秀章　編著　（アボック社）　

オオバコ（大葉子）

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