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キササゲ(木大角豆 梓)

商品写真
上:安曇野 大王わさび園
下:松島 瑞巌寺 キササゲの花と莢 

キササゲ(木大角豆 梓)Catalpa bungei C A. Meyer
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids>シソ群Lamiids
   シソ目Lamiales
     ノウゼンカズラ科 Bignoniaceae キササゲ属 Catalpa


桐に似た大きな樹

生薬名  :シジツ(梓実)
利用部位 :果実(秋、さや果が褐色変わる頃)
利用   :日本薬局方生薬 民間薬
名前の由来:マメ科のササゲ(大角豆 Vigna unguiculata)のような果実をつける木  

      という意味。

キササゲ属は東アジア、北アメリカに約10種あるが、日本には野生しない。

キササゲも中国原産の落葉高木。日本には元々薬用として渡来したしたものが各地で野生化した
帰化植物

桐に似た大きな木と葉が特徴的で、庭に植えておくと雷が落ちないという俗説があり昔は避雷針がわりに植えられたため、"カミナリサゲ"とも呼ぶ所もあるぐらいで、神社仏閣に良く植えられている


材は白く、均質で硬すぎず家具、版木等に利用された。キササゲのことを中国ではシジュ「梓樹」と書く。キササゲを版木に用いたため、本を出版するのを「本を上梓する」というが、この語もここからきている。現在は梓をアズサというなど諸説あり、別種を指すこともある。
7月頃枝先に円錐花序を付け、淡黄色の筒状の花の内側に紫色の斑点がある花を多数つけ、秋に実る。莢が30cmほどのヒモ状に垂れ下がる。

秋、さや果が熟し緑色から茶色に変わる頃、採取し乾燥する。シジツ(梓実)といい有機酸のカリウム塩が含まれていて利尿作用があり腎炎、むくみなどの利尿に用いられる。
一方中国では根の甘皮をシハクヒ(梓白皮)と称し、解熱剤に使ったり、湿疹や慢性の皮膚病に浴剤として使ったりする。


成分
イリドイド配糖体;カタルポシド、カタルポラクトンなど、灰分の約25%がカリウム塩

適用
尿量減少に利尿薬として。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・第15改正 日本薬局方解説書 (広川書店)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・生薬単 原島広至著 (株式会社エヌ・ティ・エス)
  ・花と樹の事典 木村陽一郎 監修  (柏書房)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)


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