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トウガラシ(唐辛子、蕃椒)

商品写真
上:京都薬科大学薬用植物園 白い花と果実
中・下:明日香村の畑 (品種、八房)

トウガラシ(唐辛子、蕃椒)Capsicum annuum Linne
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids>シソ群Lamiids
   ナス目Solanales
     ナス科 Solanaceae トウガラシ属 Capsicum

 その他の名前:Mexican Pepperとも 


 代表的な香辛料
 トウガラシチンキの原料生薬 


生薬名  :バンショウ(蕃椒)
利用部位 :果実
利用   :日本薬局方生薬、 薬用、食用 スパイス
名前の由来:”唐”から伝わった「辛子」の意味だが、必ずしも中国ではなく"外来の”の

      意味。蕃椒も南蛮から渡来した辛いものの意味。
      属名の Capsicumカプシクムは袋を意味し果実の形からの名。

トウガラシは辛い野菜の代表格だが、辛くない甘味系もある。
原産地はブラジル、アマゾン流域といわれメキシコやペルーでは昔から食用としていた。タバコと同様、コロンブスが新大陸を発見した際、原住民が食用としていたのをスペインに持ち帰ったのが最初と言われている。
後イギリス、フランスへ伝わり現在は世界各地で栽培される。比較的高温を好み、25℃前後が生育適温と言われている。熱帯では多年草の半低木だが、温帯地方では通常1年草として扱われる。

トウガラシ属は葉の大きさ、果実の形や色、辛味などにより変種が多く35種ほどが知られ辛味系と甘味系に分けられる。
トウガラシは辛い野菜の代表格だが、辛くない甘味系もある。


辛味系(chilli系)は辛味成分カプサイシンが含まれ辛い。タカノツメ(鷹の爪)、ヤツブサ(八房)などが代表で香辛料、薬用にする。トウガラシを主とした七味唐辛子は日本の食文化を彩る香辛料として欠かせない存在でもある。甘味系(sweet系)は緑色の未熟果実が野菜として、ピーマンやパプリカ、シシトウのなどが知られている。


辛味のあるトウガラシは果皮にカプサイシンの他、カロチノイド色素、脂肪油、ビタミンC、などを含み辛味性健胃薬として食欲増進、消化改善、唾液分泌促進のはたらきをする。少量で唾液、胃液分泌を促進し消化管運動を亢進する。

局所の皮膚を刺激し血管拡張作用があり血行を促進するので、筋肉痛、神経痛、凍瘡などの外用薬に応用される


ヤツブサ(八房):品種名
赤く熟した実が葉の間から抜きん出て房状に8個(多くのという意味)も固まってつく。トウガラシの代表種。辛味が強く、収量も多い。

成分

 ・辛味成分:カプサイシン、ジヒドロカプサイシン
 ・カロチノイド色素:βカロチン、カプサンチン
 ・その他:ビタミンC、 カプサイシコド

利用

トウガラシ末

 ・トウガラシを粉末にしたもので、トウガラシチンキ、トウガラシ・サリチル酸精の原料 

  にされる。

 ・辛味健胃薬として胃用薬に少量配合される。

 ・香辛料、スパイスとして食用に多量される。
トウガラシチンキ

 ・皮膚刺激薬の原料として神経痛、筋肉痛の外用薬に用いられる。

トウガラシ・サリチル酸精

 ・刺激性、殺菌性を加え血行を良くすることで、育毛、養毛剤として抜け毛、貧毛、

  円形脱毛症などに用いられる。


参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・第15改正 日本薬局方解説書 (広川書店)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・生薬単 原島広至著 (株式会社エヌ・ティ・エス)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)    


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