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ウツボグサ(靫草) 

商品写真
上・中:奥飛騨 平湯温泉大滝付近
下:大坂市立長居植物園 同属のセイヨウウツボグサ

ウツボグサ(靫草)Prunella vulgaris Linne var.lilacina Nakai
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids>シソ群Lamiids
   シソ目Lamiales     
     シソ科 Lamiaceae  ウツボグサ属 Prunella

腎臓、尿路の消炎性利尿に

生薬名  :カゴソウ(夏枯草)
利用部位 :開花期の花穂(7〜8月、花穂が茶色に枯れた時、採取)
利用   :日本薬局方生薬、民間薬
名前の由来:花後の枯れ穂が武将が背負っていた矢の収納籠、矢筒「ウツボ(靫)」に似ている
      のでウツボグサ。   

      夏枯草は花穂が夏でも茶褐色に枯れそのまま立っている姿から。
      学名のプルネラPrunellaは扁桃腺炎 、ウルガリスvulgarisは普通にあるの意味。道端
      や野原に群生することからつけられた名。



学名にlilacina(ライラック色の)がつき、きれいな紫の花を連想させる。日当たりの良い道端や草地に生える多年草。6〜7月にかけて、茎の先に太く短い花穂をつけ、下から上へ紫色の愛らしい花が咲く。花の1つ1つは小さいが、唇形花なのでシソ科の花なのだということがよく分かる。
きれいな花は8月には終わり、花が咲いた後すぐ茶褐色に変色してくるので、夏枯草の名がある。なるほどなあと感心させられるネーミングだ。


薬用にはこの枯れた花穂を乾かして使う。
消炎性の利尿薬として腎臓病、膀胱炎、などの尿路系に効果がある。成分としてはカリウム塩が多量に含まれているので、これが尿路を洗い流す利尿作用を行っているのではないかと考えられている。抗菌作用も知られている。


タンニンもかなり多いので、飲みすぎると胃に負担がかかるので、要注意。口腔洗浄や咽喉の痛みに対してうがい薬としても利用される。
 
主な成分
   ・トリテルペン配糖体:ウルソール酸
   ・トリテルペンサポニン:プルネリン
   ・フラボノイド
   ・タンニン
   ・有機酸
   ・カリウム塩  など

主な効果
     残尿感、排尿に際して不快感のある場合に用いる。
     膀胱炎、腎盂炎、腎臓結石の利尿・消炎に腫れ物や浮腫みなどに
     口内炎、扁桃腺炎、結膜炎、打撲傷の消炎に。抗菌作用も発揮する

漢方処方例
     眼球の痛みや涙のう炎に用いる止涙補血散夏枯草散などに配合される。


参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・第15改正 日本薬局方解説書 (広川書店)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・生薬単 原島広至著 (株式会社エヌ・ティ・エス)
  ・山渓名前図鑑 野草の名前 夏 高橋勝雄著 (山と渓谷社)
  ・山野草ハンドブック 伊沢一男(主婦の友社) 
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)









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