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コガネバナ(黄金花)

商品写真
上・中:武田薬品 京都薬用植物園
下:大阪薬科大学薬用植物園 コガネバナの根        

コガネバナ(黄金花)Scutellaria baicalensis Georgi
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids>シソ群Lamiids
   シソ目Lamiales
     シソ科Lamiaceae タツナミソウ属Scutellaria

   漢方薬の要薬

生薬名  :オウゴン(黄芩)
利用部位 :根
利用   :日本薬局方生薬、漢方処方薬
名前の由来:根の内部が鮮やかな黄色をしていることから。生薬名、オウゴン(黄芩)も同じ。

コガネバナという名前から、連想される黄金色の花とは全く異なる紫色のシソ科の多年草。”コガネバナ”のコガネは花ではなくその根に由来する。掘りあげた根はゴボウ状で長く黄褐色をしているが、折ると内部は鮮やかな黄色。漢方でオウゴン(黄芩)という。オウレン(黄連) オウバク(黄柏)と並ぶ黄色の生薬で漢方薬の要薬として重宝する。

中国北部、東シベリア、モンゴルなどが原産、種名のバイカレンシスは””バイカル地方に生える”の意味。根に含まれる成分のバイカリンもこの地名に由来している。


日本には自生しない。八代将軍吉宗の頃、朝鮮から種子がもたらされ、小石川養生所(現在の小石川植物園)で栽培されたのが最初とされている
草丈は30〜60cm。葉は細長く毛が多く対生する。初夏、濃い青紫色の美しい花が咲く。鑑賞用としても美しい花だ。草木染の染料にも出来る。

薬用には栽培2〜3年目の根を秋に堀り、周辺の皮を取り除き、日干する。

緩下、利尿、抗炎症、抗アレルギー作用がある。
漢方では消炎、解熱、利胆薬として、肝臓障害の炎症を鎮め、のぼせ、充血、高血圧の治療に用いられる。

又胃部のつかえ、下痢、腹痛などの症状にも用いられる重要な生薬。

主な成分
   フラボノイド誘導体:バイカリン、バイカレイン、オウゴノシド、オウゴニン

用途
   漢方処方薬で健胃消化薬、止瀉整腸薬、瀉下薬、解熱鎮痛消炎薬、消炎排膿  

   薬、尿路疾患薬、止血薬、高血圧症、精神神経用など幅広い処方に配合される。

漢方処方例 
   黄芩湯  (おうごんとう)
   乙字湯    (おつじとう)
   黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
   三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)
   三物黄芩湯(さんもつおうごんとう)
   大柴胡湯 (だいさいことう)
   半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)  などその他多くの処方に配合


参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・第15改正 日本薬局方解説書 (広川書店)
  ・最新生薬学 刈米達夫著(広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・生薬単 原島広至著 (株式会社エヌ・ティ・エス)
  ・薬になる花 田中孝治 (朝日新聞社)
  ・植物分類表 大場秀章 編著(アボック社)


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