の説がある実りの秋を象徴するように枝もたわわに実をつけた柿の木は日本の原風景、懐かしいふるさの姿でもある。秋の味覚を代表する柿。日本を代表する果物として古くから親しまれてきたが、意外と日本原産ではなく中国揚子江が原産地だ。古くから日本に渡来し、日本人が改良し多くの品種を作り出した。果物特有の香りがなく、渋み持っているという点が他の果物にないユニークなところだ。
果物としての有用な点は無論だが、柿にはいろいろな有用な薬効がいわれる。カキが渋いのはシブロールというタンニンが大量に含まれているからだ。このタンニンは熟するにつれ酸化し渋味が減ってくる。胡麻状の斑点はこの柿渋の酸化物だ。木材や和紙の優良な塗料として使われてきたが、渋にはいろいろな薬効がある。
シブはビタミンPと類似した化学構造をしている。ビタミンPは血管の透過性を高め、高血圧の予防に良いとされている、柿のシブが高血圧を防ぎ、脳出血の後の中風に良いといわれている民間療法とも一致する。カキのヘタはシテイ(柿蔕)といってシャックリの妙薬になる。なかなか止まらない“しゃっくり”に柿蔕湯という処方がある。又民間では夜尿症にも使われる。
その他、カキの葉からカキ茶を作る。カキの葉にはビタミンCを多く含み、微熱の出る時や虚弱体質の人、又止血効果もあるので、消化器系の潰瘍による出血にもお茶代わりに毎日飲むと良いと言われている。
干し柿についている白い粉はマンニトールにブドウ糖、黒糖が加わったもので柿霜(しそう)と呼ばれ咳止めや咽喉の痛みに効果がある。ユニークな薬効のあるカキは葉も実も、実のヘタまで薬になるなど重宝で利用価値がある。身近にある植物なので、ドンドン応用したいものだ。
成分・果物:ビタミンC、ビタミンA、ビタミンB1、B2、K、糖質(ブドウ糖、果糖、ショ糖) カロチン、タンニン(渋味の原因)、ミネラル(カリウム)・葉:ビタミンC、KやB類といったミネラル分 フラボノイド漢方処方 ・柿蔕湯(していとう) しゃっくりに
参考文献 ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社) ・最新生薬学 刈米達夫著 (広川書店) ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店) ・花と樹の事典 木村陽一郎 監修 (柏書房) ・日本の薬草全書 中山草司 啓明書房 ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク亜綱Asteridae
ツツジ目Ericales
カキノキ科 Ebenaceae カキノキ属 Diospyros
生薬名 :シテイ(柿蔕)
利用部分 :葉、がく片(ヘタ)、シブ
利用 :漢方処方薬、食用、民間薬、シブの採取
名前の由来:諸説あるが、秋に実る実の鮮やかさからアカキ(赤木)のアが略されたと
の説がある
実りの秋を象徴するように枝もたわわに実をつけた柿の木は日本の原風景、懐かしいふるさの姿でもある。
秋の味覚を代表する柿。日本を代表する果物として古くから親しまれてきたが、意外と日本原産ではなく中国揚子江が原産地だ。古くから日本に渡来し、日本人が改良し多くの品種を作り出した。果物特有の香りがなく、渋み持っているという点が他の果物にないユニークなところだ。
果物としての有用な点は無論だが、柿にはいろいろな有用な薬効がいわれる。カキが渋いのはシブロールというタンニンが大量に含まれているからだ。このタンニンは熟するにつれ酸化し渋味が減ってくる。
胡麻状の斑点はこの柿渋の酸化物だ。木材や和紙の優良な塗料として使われてきたが、渋にはいろいろな薬効がある。
シブはビタミンPと類似した化学構造をしている。
ビタミンPは血管の透過性を高め、高血圧の予防に良いとされている、柿のシブが高血圧を防ぎ、脳出血の後の中風に良いといわれている民間療法とも一致する。
カキのヘタはシテイ(柿蔕)といってシャックリの妙薬になる。なかなか止まらない“しゃっくり”に柿蔕湯という処方がある。又民間では夜尿症にも使われる。
その他、カキの葉からカキ茶を作る。カキの葉にはビタミンCを多く含み、微熱の出る時や虚弱体質の人、又止血効果もあるので、消化器系の潰瘍による出血にもお茶代わりに毎日飲むと良いと言われている。
干し柿についている白い粉はマンニトールにブドウ糖、黒糖が加わったもので柿霜(しそう)と呼ばれ咳止めや咽喉の痛みに効果がある。
ユニークな薬効のあるカキは葉も実も、実のヘタまで薬になるなど重宝で利用価値がある。身近にある植物なので、ドンドン応用したいものだ。
成分
・果物:ビタミンC、ビタミンA、ビタミンB1、B2、K、糖質(ブドウ糖、果糖、ショ糖)
カロチン、タンニン(渋味の原因)、ミネラル(カリウム)
・葉:ビタミンC、KやB類といったミネラル分 フラボノイド
漢方処方
・柿蔕湯(していとう)
しゃっくりに
参考文献
・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
・最新生薬学 刈米達夫著 (広川書店)
・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
・花と樹の事典 木村陽一郎 監修 (柏書房)
・日本の薬草全書 中山草司 啓明書房
・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)