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アセビ(馬酔木) 

商品写真
Photo:奈良公園           

アセビ(馬酔木) Pieris japonica G.Don 
  真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク亜綱Asteridae 
   ツツジ目Ericales  
     ツツジ科 Ericaceae アセビ属 Pieris
   

  万葉時代は“アシビ”といわれ万葉人が好んだ

利用   :害虫駆除用の殺虫剤
名前の由来:茎葉に有毒成分を含んでいるので「牛馬」が葉を食べれば毒に当たり、

      「酔う」たようにふらつくことから。
      またこのことからアシシビレがつまってアシビになったともいわれる。

日本各地、主として中部以西の山野に自生する常緑潅木。
種小名japonicaが示すように日本が原産

春先スズランに似た小さな白い花を房状に咲かせる。
万葉時代から古代の人たちに好まれて、万葉集にも数多くアセビが詠まれている。
こんもりとした樹形は庭木としても好まれ各地で植栽されている。近年、花の色も白だけでなく
ピンク色、葉も斑入り、樹形も矮性など様々な園芸品種が多く作り出され、ヨーロッパ、アメリカなどに送り出されている。
アセビは挿し木によっても増やすことが出来る。日当たりの良しあしを選ばず良く育つ。


多くの人に好まれるアセビだが葉にはアセボチン、有毒成分のアセボトキシン(アンドロメドトキシン)、グラヤノトキシン、アセボプルプリンなどが含まれる。可憐な潅木だが有毒植物なので注意が必要。葉、茎の煎じ汁、粉末は家畜の皮膚寄生虫の殺虫剤、農作物の害虫駆除に使用される。


有毒なのを知っているのだろう、奈良公園の鹿はアセビを食べない。そのためアセビの純林がある。「ささやきの小径」と呼ばれる道も両側にアセビの林が続き、多くの人が散策に訪れる。


参考文献
    ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
    ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
    ・万葉の植物 松田 修著 (保育社)
    ・花と樹の事典 木村陽一郎 監修  (柏書房)
    ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)


ー万葉集でアセビを詠んだ歌ー
 

  ・わが背子にわが恋うらくは奥山の馬酔木の花の今盛りなり (巻10 1903)
  ・磯の上に生うる馬酔木を手折れめど見すべき人がありと言わなくに(巻2 166         

   大伯皇女)   

      ほか8首がある。    





 



 



 



 



 



 



 



 







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