ホンシャクナゲ(本石楠花) Rhododendron metternichii Siebold et Zuccarine var hondoense Nakai 真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク亜綱Asteridae ツツジ目Ericales ツツジ科Ericaceae ツツジ属Rhododendron生薬名 :セキナンヨウ(石南葉)利用部分 :葉利用 :民間薬、鑑賞用 名前の由来:シャクナンゲは中国名「石南花」を音読みした「シャクナンゲ」が次第に変 化し「シャクナゲ」になった。 Rhododendron(ロードデンドロン)はギリシャ語のrhodon(バラ)dendron (樹木)」が語源ツツジ属に属するシャクナゲは、常緑性の潅木で初夏から夏にかけて葉の先端に花を固まって咲かせる。その下に厚い常緑の葉が付く。原産地はヒマラヤやネパール、中国雲南省などが原産だが日本にも大別し5種が分布する。ハクサンシャクナゲ、キバナシャクナゲ、ホソバシャクナゲ、アズマシャクナゲ(ツクシシャクナゲも含む)、ヤクシマシャクナゲなどでそれらの中にまた多くの種類があり、それらを全てシャクナゲと総称している。高山から亜高山、主に深山幽谷の地にひっそりと咲く花は気品に満ち神秘的な雰囲気を漂わせる。花言葉は威厳、荘厳 だが、シャクナゲは確かにそのような雰囲気に満ちている。その見事な花は夏、山を訪れる登山者に清涼感と安らぎを与えてくれる。日本産シャクナゲでは最も高地や北方に野生するのがキバナシャクナゲ。ついでハクサンシャクナゲ。キバナシャクナゲやハクサンシャクナゲが高山帯から亜高山帯に分布するのに対し、アズマシャクナゲ、ツクシシャクナゲ、ホンシャクナゲ、ホソバシャクナゲなどは1500m級の山地や寒冷な低山でも見られる。またホンシャクナゲ、ホソバシャクナゲは比較的栽培が容易なこともあって、昔から神社仏閣などに移植され、人里近くで見られ花の名所になっている所もある。しかしシャクナゲの仲間は環境を好み、栽培が難しいこともあり、日本では殆ど園芸化されることはなかった。今日見られる園芸種は、セイヨウシャクナゲと総称される仲間で、19世紀、ヒマラヤから原種がヨーロッパにもたれされて後、多くの品種が生み出され広まったものだ。シャクナゲ類の葉にはロードトキシン、タンニン、ベタウルソール酸が含まれる。シャクナゲの葉をセキナンヨウ(石南葉)として民間薬では利尿薬、強壮薬とすることもあるがロードトキシンは有毒で呼吸中枢を麻痺させるので要注意。
元々セキナンヨウ(石南葉)はバラ科オオカナメモチの葉のことで、文献に葉を滋養強壮に用いるとある。わが国では間違えて、ツツジ科の植物にシャクナゲとつけために起きた誤りである。
薬用にせず、花を楽しむ鑑賞用にだけに留めたい。
因みにヒマラヤの高地ではチベット民族がヤクを放牧しているが、ヤクはシャクナゲ(ロードデンドロン)を食べないという。そのためそれらの牧場ではシャクナゲ(ロードデンドロン)が大繁茂し見事な景観がみられるという。同じように奈良の鹿はアセビが有毒なのを知っていて食べない。このためアセビが奈良公園では鹿の食害を免れたアセビが繁茂しているのと同じ現象だ。参考文献 ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社) ・最新生薬学 刈米達夫著 (広川書店) ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店) ・薬になる花 田中孝治 (朝日新聞社) ・花と樹の事典 木村陽一郎 監修 (柏書房) ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)
ホンシャクナゲ(本石楠花)
Rhododendron metternichii Siebold et Zuccarine var hondoense Nakai
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク亜綱Asteridae
ツツジ目Ericales
ツツジ科Ericaceae ツツジ属Rhododendron
生薬名 :セキナンヨウ(石南葉)
利用部分 :葉
利用 :民間薬、鑑賞用
名前の由来:シャクナンゲは中国名「石南花」を音読みした「シャクナンゲ」が次第に変
化し「シャクナゲ」になった。
Rhododendron(ロードデンドロン)はギリシャ語のrhodon(バラ)dendron
(樹木)」が語源
ツツジ属に属するシャクナゲは、常緑性の潅木で初夏から夏にかけて葉の先端に花を固まって咲かせる。その下に厚い常緑の葉が付く。
原産地はヒマラヤやネパール、中国雲南省などが原産だが日本にも大別し5種が分布する。ハクサンシャクナゲ、キバナシャクナゲ、ホソバシャクナゲ、アズマシャクナゲ(ツクシシャクナゲも含む)、ヤクシマシャクナゲなどでそれらの中にまた多くの種類があり、それらを全てシャクナゲと総称している。
高山から亜高山、主に深山幽谷の地にひっそりと咲く花は気品に満ち神秘的な雰囲気を漂わせる。花言葉は威厳、荘厳 だが、シャクナゲは確かにそのような雰囲気に満ちている。その見事な花は夏、山を訪れる登山者に清涼感と安らぎを与えてくれる。
日本産シャクナゲでは最も高地や北方に野生するのがキバナシャクナゲ。
ついでハクサンシャクナゲ。キバナシャクナゲやハクサンシャクナゲが高山帯から亜高山帯に分布するのに対し、アズマシャクナゲ、ツクシシャクナゲ、ホンシャクナゲ、ホソバシャクナゲなどは1500m級の山地や寒冷な低山でも見られる。またホンシャクナゲ、ホソバシャクナゲは比較的栽培が容易なこともあって、昔から神社仏閣などに移植され、人里近くで見られ花の名所になっている所もある。しかしシャクナゲの仲間は環境を好み、栽培が難しいこともあり、日本では殆ど園芸化されることはなかった。
今日見られる園芸種は、セイヨウシャクナゲと総称される仲間で、19世紀、ヒマラヤから原種がヨーロッパにもたれされて後、多くの品種が生み出され広まったものだ。
シャクナゲ類の葉にはロードトキシン、タンニン、ベタウルソール酸が含まれる。
シャクナゲの葉をセキナンヨウ(石南葉)として民間薬では利尿薬、強壮薬とすることもあるがロードトキシンは有毒で呼吸中枢を麻痺させるので要注意。
元々セキナンヨウ(石南葉)はバラ科オオカナメモチの葉のことで、文献に葉を滋養強壮に用いるとある。わが国では間違えて、ツツジ科の植物にシャクナゲとつけために起きた誤りである。
薬用にせず、花を楽しむ鑑賞用にだけに留めたい。
因みにヒマラヤの高地ではチベット民族がヤクを放牧しているが、ヤクはシャクナゲ(ロードデンドロン)を食べないという。そのためそれらの牧場ではシャクナゲ(ロードデンドロン)が大繁茂し見事な景観がみられるという。
同じように奈良の鹿はアセビが有毒なのを知っていて食べない。このためアセビが奈良公園では鹿の食害を免れたアセビが繁茂しているのと同じ現象だ。
参考文献
・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
・最新生薬学 刈米達夫著 (広川書店)
・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
・薬になる花 田中孝治 (朝日新聞社)
・花と樹の事典 木村陽一郎 監修 (柏書房)
・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)