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シラタマノキ(白玉ノ木)

商品写真
Photo:御嶽山 五合目 上:シラタマノキの花 
中・下:シラタマノキの実         

シラタマノキ(白玉ノ木)Gaultheria miqueliana Takeda
  真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク亜綱Asteridae 
   ツツジ目Ericales
     ツツジ科Ericaceaeシラタマノキ属 Gaultheria

別名:シロモノ
「サロメーチールの木」、高山植物

 
生薬名  :シラタマノキ(白玉ノ木)
利用部分 :全草
利用   :香料、薬用
名前の由来:白い丸い果実からシラタマの名がつけられた

わが国の北部、中部高山地帯に自生する高さ10〜30cm程の常緑の小低木。草ではなくれっきとした木。葉は鋸歯(葉の縁がギザギザ)がある。夏7〜8月、葉の脇に白色の壷型の花を咲かせる。花後、萼筒が肥厚し、丸い白い果実になる。

同じ仲間に赤い実を付けるアカモノ(赤物)といわれるものがある。
シラタマノキはアカモノとの対比で別名をシロモノ(白物)ともいう。アカモノとは、イワハゼ(岩櫨)の別名である。またコケモモと同属に、花は白だが実は黒いのでクロマメノキ(黒豆の木)というのもある。


茎葉、実をつぶすとサルチル酸メチルのスーッとした臭いがする
同じ仲間に北米の山地に常緑小潅木で、チェッカーベリー、別名ウインターグリーン(Gaultheria procumbens Linne)、和名ヒメコウジという植物が自生する。先住民のインディアン達が、薬草として使用していた歴史のある植物。花は壷状で白色、球形の赤い実をつける。


この新鮮な葉を水蒸気蒸留して得られる 揮発油をトウリョク油(冬緑油)といい主成分はサリチル酸メチルエステル。歯磨き用香料として、また薬用には鎮痛消炎作用があることから、軟膏剤に配合し筋肉痛、腰痛、関節痛、リウマチなどの外用に用いられる。現在は化学的に合成された製品を使用している。

合成サリチル酸メチルをトウリョク油(冬緑油)の名で市販しているが、芳香は天然品に及ばない。本邦に自生するシラタマノキも近縁種で、配糖体のガウテリン、ウルソール酸、サルチル酸メチルを多量に含有するのでトウリョク油(冬緑油)原料に適するが日本では高山植物でもあり、収量も多くないので実用には供されない。


参考文献
    ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
    ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
    ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
    ・花と樹の事典 木村陽一郎 監修  (柏書房)
    ・山渓カラー名鑑 日本の樹木 (山と渓谷社)
    ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)


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