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センキュウ (川芎)

商品写真
上・中:武田薬品 京都薬用植物園 センキュウの花 
下:センキュウの葉     

センキュウ(川芎) Cnidium officinale Makino
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids
>キキョウ群Campanulids
   セリ目Apiales
     セリ科Umbelliferae ハマゼリ属 Cnidium  


トウキ(当帰)と並ぶ婦人薬の要薬


生薬名  :センキュウ(川芎)
利用部分 :根茎
利用   :日本薬局方生薬、漢方処方薬
名前の由来:中国の古典「神農本草経」ではキュウキュウ(芎藭)と書かれ四川省の 

                 ものが良品とされた為、センキュウ(川芎)という呼び名が生じた。

      葉の柄が弓のように曲がる様子からと考えられている。

中国が原産のセリ科の多年草。日本には野生しない。

寒冷地を好む薬草で、わが国では明治初年頃から主に北海道や東北地方で栽培されている。

草丈は30〜60cm、茎は直立するが中は空洞。葉は互生し2〜3回3出羽状複葉。8〜9月に多数の白い小花を咲かせる。花は咲くが結実せず未熟に終わるので、センキュウは種で増やせない。収穫時に繁殖用として分けた先端に芽のついた子イモ状の種根を株分けして増やす。
全草にセリ科特有の香気があり、特に根が強く香る。秋に茎葉が枯れ始めるころ、掘りあげて水で洗った後、湯通し乾燥させたものが漢方要薬センキュウ(川芎)。


センキュウ(川芎)の根には1〜2%の精油が含まれる。漢方では重要な生薬で補血、強壮、鎮静、鎮痛薬として婦人薬、冷え性薬、皮膚疾患、消炎排薬とみなされる処方に幅広く配合される。多くはトウキ(当帰)とともに配合されることが多い。

成分
 精油成分
  ・フタリド類:クニジリド、ネオクニジリド、リグスチリド、センキュウノリド、

          ブチルフタリド、ブチリデンフタリド
  ・その他:バニリンなど
       センキュウノリドは中枢性筋弛緩作用が、ブチリデンフタリドは鎮痙作用が  

        あることが報告されている。

川芎配合の漢方処方例
   ・芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)
   ・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
   ・女神散       (にょしんさん)
   ・抑肝散       (よっかんさん)
                    などその他多くの処方

     センキュウ葉標本

参考文献
   ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
   ・第15改正 日本薬局方解説書 (広川書店)
   ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
   ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
   ・生薬単 原島広至著 (株式会社エヌ・ティ・エス)  
   ・植物分類表大場秀章 編著 (アボック社)>


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