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ヤツデ(八つ手)

商品写真
上・下:伊賀上野 芭蕉生家  ヤツデの花              

ヤツデ(八つ手) Fatsia japonica Decaisne et Planchon 
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids
>キキョウ群Campanulids
   セリ目Apiales
      ウコギ科 Araliaceae ヤツデ属 Fatsia

別名:テングノハウチワ(天狗の羽団扇)<br>

利用部分 :葉、根皮
利用   :民間薬
名前の由来 :大きく手を広げたように葉が切れ込み、8つは多いという意味と末広がりの縁起の
      良い数字でもあることから。

ヤツデは学名をファトシア ジャポニカといい ジャポニカの名が示すように日本固有の植物の1つ。暖かい低地に自生する常緑の低木。庭木として良く植えられる。

ヤツデを庭木にすると邪悪の侵入を追い払ってくれる、又大きな葉で人を招いてくれる力があると信じられていたからでもある。
晩秋茎の先に、大きな円錐花序に小さな白い花を付ける、翌春には黒い実になる。いずれも侘びた風情があり味わい深い趣がある。これも庭木に好まれる一因になっている。


ヤツデの葉を煮てみると泡立つ。この泡は葉に含まれるサポニン配糖体ファトシンによるもので痰を取り、咳を鎮める効果がある。
αファトシンとβファトシンの2つがあり利尿を促す作用もある。気管支炎や喘息の咳止め、去痰に、腎炎などのむくみをとる効果がある。


但しサポニンは過剰摂取すると下痢や嘔吐、溶血を起こすこともあるので要注意。
葉を2〜3枚風呂に入れて薬風呂にすると血流の流れが良くなり、新陳代謝を促す作用もあるのでリウマチなどに良い


参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・花と樹の事典 木村陽一郎 監修  (柏書房)
  ・山渓カラー名鑑 日本の樹木 (山と渓谷社)
  ・植物分類表大場秀章 編著 (アボック社)


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