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ユーカリノキ

商品写真
上:広島城址堀端。被爆木、ユーカリノキ
中・下:長居植物園ユーカリの花と落下の花   

ユーカリノキ Eucalyptus blogulus Linne 
   真正双子葉類Eudicots >中核真正双子葉類Core Eudicots フトモモ目Myrtales
     フトモモ科Myrtaceae  ユーカリ属Eucalyptus

利用部位:葉
利用  :ユーカリ油原料

ユーカリの仲間は殆どがオーストラリア、タスマニアの特産で、一部ニューギニアなどの近縁地に生えている。他の地方での野生種はない。成長が速く、乾燥地でもよく育つ為、砂漠化した地域の緑化に植樹される。
また逆に、大木となり土地の水分を吸収してくれることと、葉から揮散するユーカリ油のにおいを蚊が嫌うので、マラリアの流行する湿地帯に好んで植えられたりもする。
ちなみにユーカリ属Eucalyptusの属名はギリシャ語の「Euよく、calyptus覆われたる」という意味で、乾燥地を緑で覆うということに由来する。

ユーカリの葉はコアラが食べるので有名だが、何のユーカリの葉でも食べる訳ではなく、実際に食べるユーカリは約600種あるというユーカリのうち10数種とのこと。

葉は精油成分を含みユーカリ油原料にされる。ユーカリ油は昆虫が嫌うので主に虫除けに使われ、クリーム、スプレー剤に配合される。
消炎作用と清涼感があるので皮膚クリームや鼻腔クリームに使われる。以前は慢性気管支カタル、鼻炎に吸入させたり、リウマチ、神経痛にユーカリオリーブ油(1:5)をリニメント剤にして用いたりもした事もあるが現在ではユーカリ葉は薬用に用いない。


本Photoのユーカリノキは広島原爆の被爆木の1本。広島城址、二の丸跡堀端のユーカリの木。原爆投下直後の焼け野原は50〜70年間は草木も生えないと言われていたが、奇跡的に回復した。幹は焼けただれ、大きく裂けて痛々しいが、枝葉を茂らせ、今も元気な姿を見せてくれている。

成分

ユーカリ油0.7%(シネオール80%、ピネン、ピノカルペオール、テルピネオールなど)

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著 (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著(広川書店)
  ・花と樹の事典 木村陽一郎 監修(柏書房)
  ・山渓カラー名鑑 日本の樹木 (山と渓谷社)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)

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