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ミツマタ(三椏)

商品写真
上:兵庫県 樽見
中:明日香村 葉と蕾
下:皇居東御苑 アカバナミツマタ     

ミツマタ(三椏) Edgeworthia chrysantha Lindley
  真正双子葉類Eudicots >中核真正双子葉類Core Eudicots >バラ類Rosids>アオイ群Malvids
   アオイ目Malvales      
    ジンチョウゲ科 Thymelaeaceae ミツマタ属 Edgeworthia

和紙や紙幣用紙の原料

利用部位  :樹皮
利用    :和紙の原料
名前の由来 :枝が必ず三本に分かれるところからミツマタ。

中国中・南部からヒマラヤにかけて分布する高さ2m程の落葉低木。万葉集にも「サキクサ(三枝)」の名前で登場するので、その頃には大陸から伝来していたのだろうと考えられている。

葉が茂っているときはミツマタと気づきにくいが披針形の細長い葉が互生する。夏頃、今年に伸びた枝先が急に3つに分岐する。秋、今年の枝上部の葉脇に蕾をつける。冬、葉は落葉する。
早春、葉に先立って枝の先端に30〜50個ほどの花を球形に、咲かせる。1個の花の長さは1cm程、花弁はなく、花弁のように見えるのはガクが変化したガク筒で、外側は白色の長い毛で覆われている。内側の黄色の柔らかな花は美しいので、世界各地で植えられている。製紙原料として、大量に栽培されるのは日本だけ。
良質な繊維は弾力性と光沢があり、高級紙料として紙幣、印紙に利用される。樹皮をはいだ後の白くさらした枝は”生け花”の花材にされる。


近縁種
アカバナミツマタ(赤花三椏)またはベニバナミツマタ(紅花三椏 )
 
  内側が朱色になっている。
  黄花の突然変異種として見つかった。きれいな花なので各地の庭園に植えられている園芸種。

ジンチョウゲ科 Thymelaeaceaeを代表するジンチョウゲ(沈丁花) Daphne odora Thunb

ジンチョウゲ科 Thymelaeaceae ジンチョウゲ属 Daphne

      ジンチョウゲ下鴨
       Photo:下鴨神社 参道

早春のジンチョウゲ、初夏のクチナシ、初冬のキンモクセイそれぞれ季節を代表する香り高い花木として愛されている。ジンチョウゲは花の香りを香木、ジンコウ(沈香)とチョウジ(丁字)の香りにたとえて、つけられた名。
ジンチョウゲ科は花弁の無いものが多く、花弁のように見えるのはガクが変化したもの。先端が4裂して広がる。
ジンチョウゲの樹皮からは繊維は採れないが、長く強靭な繊維が採れるものが多く、ミツマタ、コウゾはその代表例で和紙の原料にされる。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・万葉の植物 松田 修著 (保育社)
  ・花と樹の事典 木村陽一郎 監修  (柏書房)
  ・山渓カラー名鑑 日本の樹木 (山と渓谷社)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)


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