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クマツヅラ(熊葛)

商品写真
上:京都府立植物園
中:大宇陀 森野旧薬園

クマツヅラ(熊葛)Verbena officinalis Linne  
真正双子葉植物Eudicots>中核真正双子葉植物Core Eudicots>キク類Asterids>シソ群Lamiids
   シソ目Lamiales
     クマツヅラ科Verbenaceae クマツヅラ属 Verbena
 
  英名:バーベイン(Vervain) コモンバーベナ

生薬名   :バベンソウ(馬鞭草)
利用部分  :葉、開花期の全草
利用    :民間薬 ハーブ
名前の由来 :生薬名 バベンソウは長く伸びる花茎を馬の鞭になぞらえた名。

ヨーロッパ、北アフリカ、中国、東南アジアに分布。本邦では北海道を除く本州、四国、九州、沖縄の野原、山地に古くから自生する多年草。茎は四角な茎に3裂した羽状葉がつく。羽状葉はさらに細かく裂ける。
6〜9月枝先に細長い穂状の花茎を伸ばし淡紫色直径4mm程の小さな花を咲かせる。花は下から順次上へと咲きあがる。
花はあまりにも小さいため、近くで見なければ形状はわかりにくいが、筒型で先端が5裂し5弁の花ように見える。

一見すると、雑草のようであまり見栄えがする花とも思えないが意外と洋の東西を問わず伝統のある薬草として知られている
ヨーロッパ各地ではバーベナ・オフィシナレの名が物語るようすべての病を癒す力がある聖なる草、ラテン語では祭壇を飾る花(バーベナ)として、神事に用いてきた。歴史は古く古代エジプト、ローマ、ペルシャ時代からという。キリスト教の伝説では十字架のキリストの出血を止めた薬草として神聖視されている。実際にクマツズラは打ち身、腫れ物、打撲傷、打ち身などの外用に用いる。又、利尿、通経薬として、月経困難にも用いられる。神経疲労、抑うつ状態にも効果的。植物分類学者リンネはこの植物に officinal薬用の名をつけているほどだ。

主な成分 
 ・苦味配糖体:ベルベナリン(ベルベナロールとグルコースに加水分解される。)ベルベニン
 ・アルカロイド
 ・精油
 ・タンニン

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・原色和漢薬図鑑 難波恒雄 著 (保育社)
  ・山野草ハンドブック 伊沢一男監修 (主婦の友社)
  ・ヤマケイポケットガイド ハーブ 亀田龍吉 (山と渓谷社)
  ・ハーブ大全 リチャード・メイビー著(小学館)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)


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