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チャ(茶)

商品写真
上:大宇陀 森野旧薬園 中:チャの花と実
下:静岡 大井川沿いの茶畑 SL列車が沿線を走る。

チャ(茶)Thea sinensis Linne 
  真正双子葉類Eudicots >中核真正双子葉類Core Eudicots >キク亜綱Asteridae
   ツツジ目Ericales     
     ツバキ科 Theaceae ツバキ属 Camellia

 嗜好飲料の代表 お茶の原料植物

生薬名  :チャヨウ(茶葉)
利用部分 :葉 茎
利用   :茶葉原料、製薬原料植物(カフェインの製造原料)
名前の由来:中国の広東語での呼び名であるチャに由来する。

チャの原産地は中国の雲南、四川、貴州あたりの暖地の降雨林と推定されている。
チャが不思議な効果がある飲み物として、中国全土に広まるのは6世紀ごろ。
広く喫茶の風習が文化として認容されるのは、8世紀に陸羽が『茶経』を著してからといわれている。
日本では「類聚国史」(892年)に815年(弘仁6)嵯峨天皇が近江国韓崎(今の大津市唐崎)の梵釈寺に行幸の際、崇福寺の大僧都永忠が自ら茶を煎じて、天皇にさしあげたという記載がある。これは永忠が唐から持ち帰ったとも、又「日吉社記」によると平安時代、最澄(伝教大師)が805年、遣唐使として渡った中国から茶の種を持ち帰り当地、比叡山麓の坂本に植えたのが始まりとも伝えている。
平安時代には、喫茶は宮廷や寺院で飲まれていた記録はあるが、一般には栽培されず飲まれていなかった。
広く一般に普及するのは鎌倉以降。禅僧栄西(1141〜1215)が、宋にわたりの喫茶の文化と、チャの種をもたらしたのが始まりとされている。
「栄西」は茶を万能薬として推奨する内容の茶書『喫茶養生記』(「茶は養生の仙薬なり」の書き出しで始まる)をあらわし茶の薬用を説いた。
チャ(茶)は日本の暖地に適し、静岡、宇治をはじめ本邦各地でひろく栽培されている。経営的な生産に適するのは大体、関東地方が北限とされている。
葉を茶葉(Tea leaf)といいプリンアルカロイド(カフェイン、テオフィリンなど)1〜3%、タンニン12%その他を含み、カフェイン製造原料になる。葉は種々調整され嗜好品飲料として、また抗酸化作用 ポリフェノール含有 また発癌予防効果があるとして健康飲料として世界の飲み物として一般に広く浸透している。
チャは各地で加工の仕方が違い、多くの製茶法があるが、大別すると紅茶のように発酵させるものと、緑茶のように発酵させないものに分けられる。
日本の煎茶は蒸して酸化酵素を壊し、焙烙で炒って露を切り、手もみして仕上げる手法をとっている。緑茶にはビタミンCが多く含まれる。茶のうまみや甘みはアミノ酸による。

成分
 ・プリン塩基:カフェイン、キサンチン、テオフィリン
 ・タンニン、カテキン、ポリフェノール
 ・フラボノール
 ・精油
 ・アミノ酸類、ビタミンC    

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・花と樹の事典 木村陽一郎 監修  (柏書房)
  ・山渓カラー名鑑 日本の樹木 (山と渓谷社)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)


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