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ムクゲ(木槿)

商品写真
上:日本新薬 山科植物資料館 底紅の宗旦ムクゲ
中:平尾台カルス台地 白花
下:安曇野

ムクゲ(木槿) Hibiscus  syriacus Linne  
  真正双子葉類Eudicots >中核真正双子葉類Core Eudicots >バラ類Rosids>アオイ群Malvids
    アオイ目Malvales
     アオイ科 Malvaceae フヨウ属 Hibiscus 

生薬名   :モッキンカ(木槿花)
利用部位  :白花の蕾
利用    :漢方 民間薬
名前の由来 :中国名をムージン(木槿)と呼ぶ。これをそのまま音読みしてモクキンがムクゲに
      変化したとも。また韓国名ではムグンファ(無窮花)と呼んでいたムグンファが変化
      しムキュウゲ、ムクゲになったとも。

種小名、シリアクスsyriacusは シリア(小アジア)の意味だが、実際はシリア原産ではなく中国が原産。日本では早くから渡来していたと考えられる。
ムクゲはアオイ科フヨウ属で同じ属の仲間にはフヨウ、ハイビスカス、トロロアオイ、ケナフなどありいずれも良く知られている。
多くの品種が作られ、花の咲き方も一重咲きから半八重咲き、八重咲き、花の色も白、ピンク、青紫など多彩。耐寒性もあり、強い性質なので北ヨーロッパまで広く栽培されている。夏の炎天下でも、次々さわやかな花を咲かせるムクゲは多くの人に愛されている。花は朝開き夜しぼむ1日花。韓国ではムクゲを国花としている。
薬用には白い花の蕾を用いる。白花を陰干し胃腸炎などの下痢止めに用いる。大量の粘液質を含んでいる。
茎、幹、根の樹皮もモクキンピ(木槿皮)未熟果実もモクキンシ(木槿子)として薬用に供される。いずれも粘滑薬となる。


ソウタンムクゲ(宗旦木槿)  
  茶人千宗旦が好んで茶花に用いた花。白い花の中が赤い底紅。
  江戸時代から、茶花として夏の茶室に飾られる。冬のツバキに次いで繁用されるポピュラーな
  茶花。

参考文献
   ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
   ・最新生薬学 刈米達夫著  (広川書店)
   ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
   ・花と樹の事典 木村陽一郎 監修(柏書房)
   ・山渓カラー名鑑 日本の樹木 (山と渓谷社)
   ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)


(コメント)
「槿花一朝(きんかいちょう)の夢」ムクゲの花があしたに咲いて夕方しぼむ1日花。栄耀栄華も早くは滅びる。はかなさの象徴に譬えられる花だ。輝きは一瞬うち、人生の輝きもほんの1瞬なのだろう。その瞬間を大切にして生きたい。含蓄のある言葉だ


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