タチアオイ（立葵）

名前から探す	ア行	カ行	サ行	タ行	ナ行	ハ行	マ行	ヤ行	ラ行	ワ行
用途から探す	漢方薬	製薬基源植物	日本薬局方生薬	民間薬・薬用	ﾊｰﾌﾞ･ｻﾌﾟﾘﾒﾝﾄ	香料・香辛料	食用と嗜好品	染色・繊維	油脂	鑑賞用・その他

上：大阪薬科大学　薬用植物園
下：武田薬品　京都薬用植物園

タチアオイ（立葵）Althaea rosea　Cavailes　　
　　真正双子葉類Eudicots ＞中核真正双子葉類Core Eudicots ＞バラ類Rosids＞アオイ群Malvids
　　　アオイ目Malvales　　　　　
　　　　　アオイ科 Malvaceae　　ビロードアオイ属 Althaea

英名：ホリホック hollyhock

生薬名　　：①ショツキコン（蜀葵根）②ショッキカ（蜀葵花）
利用部分　：①根　②花
利用　　　：①薬用　②ハーブティ、鑑賞
名前の由来：真っ直ぐ立った姿と、葉が太陽の方に向かうところから、「あうひ」（仰日）の意。
　　　　　　属名Althaeaはギリシア語の「althaino」（治す）を語源とする。
　　　　　　古来よりタチアオイが薬用にされていたことに因む。
　　　　　　英名 hollyhockは１２世紀頃の十字軍がシリア（キリスト教聖地）からこの花を持ち
　　　　　　帰ったことにより「聖地の花」の意味からの名。

地中海沿岸地方が原産でアジア、ヨーロッパ中部各地に分布する大型の多年草。日本へは中国から渡来し、古くから観賞用に栽培されてきた。夏の花として、良く植えられている。
草丈は２～３ｍになりすらりと高く直立するので、タチアオイと言うが単にアオイの別名もある。古典文学（万葉集、枕草子、源氏物語など）で使われる古い名、古名のアオイはタチアオイ、ゼニアオイ、フユアオイ、ムクゲ、フタバアオイまでを含めた植物の名称に使われているので紛らわしいが、花は一重、八重咲き、花色も赤、紫、白、ピンク、黄色と様々な園芸品種がある。大振りで大らかな花は下から上へと次々咲きあがる。

根や葉はアラバン、ガラクタンなどの粘液質を含み粘滑薬にされる。同じ科のトロオアオイ（黄蜀葵の根）ムクゲ（木槿の花）も粘滑薬にされる。トロオアオイ（黄蜀葵の根）は和紙の製造に粘り料として、和紙繊維を均等に分布させるのに使われる。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・最新生薬学　刈米達夫著　　（広川書店）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・ヤマケイポケットガイド　ハーブ　亀田竜吉（山と渓谷社）
　　・花と樹の事典　木村陽一郎　監修　　（柏書房）
　　・花の歴史　万葉。源氏編１　広江美之助
　　・植物分類表　大場秀章　編著　（アボック社）　

タチアオイ（立葵）

科目別の一覧