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オクラ

商品写真
上・中:宗像市大島 ワタの花にそっくりなオクラの花
下:山之辺の道 オクラの実

オクラ Abelmoschus esculentus Moench 
  真正双子葉類Eudicots >中核真正双子葉類Core Eudicots >バラ類Rosids>アオイ群Malvids
   アオイ目Malvales     
    アオイ科 Malvaceae トロロアオイ属 Abelmoschu


食物繊維のネバネバ成分が特長。
抗酸化作用のあるβカロテン、骨を丈夫にするカルシウムも豊富。


利用部分 :若い実(莢)、種子
利用   :食用
名前の由来:西アフリカ黄金海岸に住むチューイ族の、この植物の呼び名が語源と言われている。

アフリカ原産の1年草。確かにその花は南国生まれの”ワタ”の花にそっくり。葉は大型で掌状に3〜5深裂する。
古くからエジプト人が食用に栽培していた。18世紀には、アメリカにわたり、日本へは幕末から明治の初めにつたわった。しかし当初はオクラ特有の青臭さやネバネバの粘液質が嗜好に合わなかったのか人気が出なかった。だが昭和40年代頃から保健野菜、健康野菜としての価値が知られるようになり、見直され現在は、和洋各種の料理に幅広く用いられる。
草丈は2m程の高さにまでなる。花は淡い黄白色、底の部分は濃い暗紅色でワタの花に似て美しい、早朝咲き、午後にはしぼむ1日花。1週間もすれば莢ができ収穫できる。
1本から30〜40個ほどの莢が次々に実り効率が良い野菜だ。若い莢には細かい産毛が生えている。日かたつと硬くなるので若いうちに収穫したい。

オクラ独特のネバネバは食物繊維のペクチンやガラクタンで、糖質やコレステロールの吸収を抑制したり、遅らせたりするので、血糖値やコレステロール、中性脂肪が気になる人には適した野菜。
栄養素では蛋白質やビタミンB群、ビタミンC、葉酸、βカロテン、ミネラルではカリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄などを含む。
生食でも良いが、塩で軽くもみ”うぶ毛”を取り除き1分間程さっとゆでると、色鮮やかに仕上がる。煮物、スープ、シチューに用いても整腸作用のあるペクチンや、蛋白質の消化吸収を助けるガラクタンは水溶性なので汁に溶け出す。溶け出した汁も一緒に食べると、栄養素も無駄なく摂取できる。美味しく食べてしかも体に良いので、是非料理の一品に加えたい。

熟した種子は黒色または褐色で、炒ってコーヒーの代用にされこともあった。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・食材事典  原田孝子監修(学研)
  ・新食品成分表 2017年(東京法令出版株式会社)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)

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