レイシ（茘枝) Litchi chinensis　 Sonnerat
　　真正双子葉類Eudicots ＞中核真正双子葉類Core Eudicots ＞バラ類Rosids＞アオイ群Malvids
　　　ムクロジ目Sapindales　　　　　
　　　　　ムクロジ科 Sapindaceae　レイシ属 Litchi

楊貴妃が好んだ果物

生薬名　　：レイシカク（（茘枝核)
利用部分　：果実、成熟果実の種子
利用　　　：食用、レイシカク（茘枝核)は漢方薬に
名前の由来：中国語、台湾語の発音によりライチー、あるいはライチとも呼ばれる。


中国南部が原産。熱帯、亜熱帯で栽培される。樹高８〜１０ｍに達する落葉高木。
果樹としての需要が高く東南アジア、台湾、ハワイなどでひろく栽培される。国内では沖縄、鹿児島の一部等で栽培される人気のパッションフルーツだ。収穫に便利なように、普通は樹高を２〜３ｍに抑えて栽培している。

1属1種で、２〜４月に淡い緑色の花を咲かせ、実をつける。直径２〜３ｃｍ大の球形の実は熟すると暗紅色になり、表面は細かい亀裂が入り凸凹した感じ。果肉はツルットした白色半透明、あっさりした甘さと独特の香りがある。デザートに冷やして食べると美味しい。
唐の玄宗皇帝が愛妃　楊貴妃のため、千里の道のりの嶺南(福建省)からレイシを取り寄せたという有名な故事がある果物。現在、私たちは比較的手軽で安価にレイシからのを食べることが出来る。

リュウガン(龍眼）同様、ブドウ糖、ショ糖などを含み、滋養、強壮剤にする。
ビタミンＣも豊富に含みシミの原因のメラニンの生成を抑制してくれる。
その他、葉酸、ビタミンＢ、カリウムも多い。美肌効果があり楊貴妃が好んだのもうなずける。
生食の他ジャム、シロップ漬け、果実酒、乾果にも利用できる。
果実の中の大きな種の種子にはタンニン４％、サポニン１％を含み収斂、鎮痛、消炎剤、また鎮咳剤としても用いられる。

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・花と樹の事典　木村陽二郎（柏書房）
　　・原色和漢薬図鑑　上　難波恒雄著　(保育社）
　　・食材図典　（小学館）
　　・植物分類表　大場秀章　編著　（アボック社）