メグスリノキ（目薬の木、目薬木）

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上：服部緑地　都市緑化植物園
中：兵庫県養父市、天滝渓谷
下：丹波薬草薬樹園

メグスリノキ（目薬の木、目薬木）Acer maximowiczianum Miq nikoense　Maxim　
　　真正双子葉類Eudicots ＞中核真正双子葉類Core Eudicots ＞バラ類Rosids＞アオイ群Malvids
　　　ムクロジ目Sapindales　　　　　
　　　　　ムクロジ科 Sapindaceae　カエデ属 Acer

ＮＨＫ大河ドラマ ”軍師　黒田官兵衛”に登場する「目薬」の元になった木

利用部分　：樹皮、小枝
利用　　　：目薬
名前の由来：樹皮を煎じて洗眼薬にしたところから目薬の木の名がある。

「メグスリノキ」なんともユニークな名だ。そのものズバリ目薬にしたところからの名前と言われている。
我が国の山地にのみ自生する固有種。
普通カエデ属の葉は、いわゆる掌状のモミジで、単葉のモミジの葉を連想するが、メグスリノキの葉は、三小葉からなる複葉(３出複葉)で対性。この形も変わっている、葉だけ見るとカエデらしくない。
高さ２５ｍ、直径７０ｃｍになり雌雄異株。秋には美しく紅葉する。カエデ属であることが実感させられる美しさだ。

薬用としての採取時期は、樹液がよく動いている春～初夏にかけて樹皮を剥ぎ取り乾燥させる。
タンニン、フェノール配糖体のエピロードデンドリン、ホドデンドロール、ステロール類、クマリン類などが含まれていて、眼病の予防・視神経活性化・肝機能の改善などの効果があることが近年分かってきた。

司馬遼太郎の小説『播磨灘物語』に福岡、黒田藩の祖、黒田如水の祖父、重隆がメグスリノキで目薬を作って販売し財を成したという話が登場する。NHKの大河ドラマ「軍師　官兵衛」にも此の話は登場するなど話題の木。

使用法
　・民間療法に目薬として樹皮を煎じ洗顔する。
　・樹皮、小枝を煎じ服用する。肝臓疾患にも有効。

Photo：兵庫県養父市、天滝渓谷
　　　見上げるような高木のメグスリノキの苔むした樹幹。
　　　特徴ある葉の形が遠目にも見える。　

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・花と樹の事典　木村陽一郎　監修　　（柏書房）
　　・山渓カラー名鑑　日本の樹木　（山と渓谷社）
　　・播磨灘物語　司馬遼太郎著　(講談社）
　　・植物分類表　大場秀章　編著　（アボック社）

(コメント）
これ迄、植物を系統的に分類する方法ではシダ植物と種子植物、裸子植物と被子植物、単子葉植物と双子葉植物というような方法が親しまれてきたが、近年、ＤＮＡ配列に基づく系統関係から、従来とは異なる配列がとられるようになった。
ＡＰＧによる大分類で、１９９８年に最初の系統的分類ＡＰＧⅠが発表されてからも改定が加えられ、現在は２００９年のＡＰＧⅢが発表されるに至っている。
その結果、従来のトチノキ科、メグスリノキが属するカエデ科はムクロジ科に併合され、両者の科の名称は消滅した。　　　

メグスリノキ（目薬の木、目薬木）

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