名前から探す ア行 カ行 サ行 タ行 ナ行 ハ行 マ行 ヤ行 ラ行 ワ行    
用途から探す 漢方薬 製薬基源植物 日本薬局方生薬 民間薬・薬用 ハーブ・サプリメント 香料・香辛料 食用と嗜好品 染色・繊維 油脂 鑑賞用・その他    

トウダイグサ(燈台草)

商品写真
上・中:北アルプス 八方尾根
下:雌しべの先端につく球形の実

トウダイグサ(燈台草)Euphorbia helioscopia Linne
  真正双子葉類Eudicots >中核真正双子葉類Core Eudicots >マメ群Fabids
   キントラノオ目Malpighiales     
    トウダイグサ科 Euphorbiaceae トウダイグサ属 Euphorbia

生薬名  :ダイゲキ(大戟)
利用部分 :根
利用   :漢方薬、
名前の由来:上部の葉が黄色に染まりので、昔の明かりを灯もす照明器具の橙台に似るための名。
       葉を燈台の皿に、花を橙台の燈芯に見立てた。


本邦各地の山野に自生する多年草。茎は直立し葉や茎を折ると白い乳液が出る。皮膚に付くとかぶれることがある。葉は互生し長さ3〜6cm、幅1〜2cmで長楕円形、茎の先で4〜5枚の葉が輪生する。
輪生する葉の脇から数本の枝が傘状に分岐する。枝先では2枚の総苞葉の間に黄褐色のつぼ型の杯状花序が付く。中に雄しべ、雌しべがある。花のように見えるが、実際は偽花で花に見えるのは4つの楕円形の黄色い蜜を出す器官(腺体)。雌しべが受粉すると、雌しべは外へ伸び出てその先に丸い球形の実をつける。

有毒植物ではあるが漢方では根を利尿薬にする。
因みに学名の属名Euphorbiaは、ローマ時代の医師エウフォルブスに因んで付けられたもの。
彼が始めてこの種の植物の乳液を薬用にしたためという。
歴史のある植物だがアルカロイド、ユーフォルビンなどを含み、有毒なため安易に用いてはならない。

同じ属に属するものには、ナツトウダイ、タカトウダイ、ノウルシなどが知られている。

漢方薬に用いるダイゲキ(大戟)は神農本草経にも収載されている程、古くから用いられてきた生薬だが、古来よりその起源は諸説あり、アカネ科、マメ科、トウダイグサ科などまちまちで、それぞれ異なる科の植物由来をダイゲキ(大戟)と称している。ちなみにトウダイグサ科のダイゲキ(大戟)は京大戟と言われる。
日本産和大戟はトウダイグサの根を乾燥したもの。韓国産ダイゲキ(大戟)はナツトウダイの根を乾燥したものが用いられる。日本産和大戟は現在流通していない。

参考文献
  ・朝日百科 世界の植物 (朝日新聞社)
  ・薬用植物学各論 木村康一・木島正夫共著 (広川書店)
  ・花と樹の事典 木村陽一郎 監修  (柏書房)
  ・原色和漢薬図鑑 難波恒雄著 (保育社)
  ・山渓名前図鑑 野草の名前 春 高橋勝雄著 (山と渓谷社)
  ・山野草ハンドブック 伊沢一男(主婦の友社) 
  ・野草図鑑 夏 (北隆館)
  ・植物分類表 大場秀章 編著 (アボック社)

科目別の一覧