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サンショウ（山椒）

商品写真
上：篠山　サンショの雄花　中：生駒山　青い実　
下・下：武田薬品　京都薬用植物園　完熟

サンショウ（山椒） Zanthoxylum 　piperitum De　Candolle　
　　真正双子葉類Eudicots ＞中核真正双子葉類Core Eudicots ＞バラ類Rosids＞アオイ群Malvids
　　　ムクロジ目Sapindales　　　　　　
　　　　　ミカン科 Rutaceae 　サンショウ属 Zanthoxylum

　ジャパニーズペッパー　日本の代表的な香辛料

生薬名　　：サンショウ（山椒）
利用部位　：�＼�熟果皮（種子を除く）　�⇒�
利用　　　：��日本薬局方生薬　漢方処方用薬、苦味チンキの原料、食用　�⊃�用
名前の由来：「椒」はハジカミとも読み種々の辛いものを表す。
　　　　　　　山のハジカミから山椒になったという説。

「山椒は小粒でもピリリと辛い」 日本の代表的な香辛料で、英語名はジャパニーズペッパー。
日本各地の山地に自生する雌雄異株の落葉低木。中国、朝鮮半島など東アジアにも自生している。葉は奇数羽状複葉で互生し、枝や葉柄の付け根に対性する長さ５〜８ｍｍの鋭い棘がある。花期４〜５月。花弁はなく５〜８個の黄緑色のがく片があり、ほぼ同数の雄しべと互生する。

球形の果実は初め緑色、熟すと赤くなりタネがはじける。中に黒く光沢のあるタネが１個入っている。まだ青い未熟果実(青山椒)と若葉は香辛料とした食用に、完熟した果実は薬用にする。サンショウ（山椒）として生薬に供されるのは成熟した果皮で種子は取り除かれる。独特の香りと辛味があり芳香性健胃、発汗、消炎、利尿、鎮痛、鎮痙、駆虫として、また苦味チンキ（芳香辛味健胃薬）の原料になる。
粉末（サンショ末、粉山椒）は配合剤（胃腸薬）として、またうなぎの蒲焼の薬味などの料理にも用いられ和食には欠かせないスパイスとなっている。

若葉は「木の芽」と呼ばれ吸い物に浮かべるなど、和風料理に添えられる。棘があると扱いにくいので、栽培用には棘のない変種のアサクラザンショウ（朝倉山椒）が利用される。
アサクラザンショウは兵庫県養父郡朝倉山で見つけられたサンショウで、個々の果実が大きく芳香も強く豊産性である事から重宝されている。
また類似植物にイヌザンショウ（犬山椒）がある。イヌザンショウも日本の山野に自生し複葉はサンショウに似ているが、棘は互生。精油（エスドラゴール、ベルガプテン）を含んでいる。サンショとは香りが異なり香辛料には使われない。
民間療法で、葉はイヌザンショウ末（犬山椒末）として、楊梅皮末、黄柏末と配合し、卵白で練り打撲傷に外用する。
　　
主な成分
　　　・精油：リモネン、シトロネラール、シトロネロールβーフェランドレン　ゲラニオール、
　　　　　　　β―フェランドレン
　　　・辛味成分：α-サンショオール、γ-サンショオール
　　　・フラボノイド配糖体：クエルセチン、アフゼリン、ヘスペリジン　など

主な用途
　　　　漢方処方用薬、芳香性苦味健胃薬原料、苦味チンキ原料　香辛料、食用　

　　漢方処方例
　　　　鎮痛鎮痙薬、駆虫薬とみなされる処方に少量例配合されている。
　　　　・大建中湯（だいけんちゅうとう）
　　　　・当帰湯　（とうきとう）
　　　　・椒梅湯　（しょうばいとう）
　　　　　　
　　食用　日本食に用途広く使われる。
　　　・若葉（木の芽）
　　　　　木の芽和え、木の実味噌、木の実田楽、焼き物、煮物、椀ものなどの料理の彩りに。、
　　　・青い未熟果実
　　　　　山椒昆布など佃煮の香辛料に
　　　・果皮（熟した実の皮の乾燥粉末（粉山椒））
　　　　　鰻の蒲焼の臭味消し、七味唐辛子の材料

サンショウ
Photo：武田薬品　京都薬用植物　２本の棘が対生するサンショウ。
　　　　　　　　　　　　　　　　（イヌザンショウは棘が１本で互生）

参考文献
　　・朝日百科　世界の植物　（朝日新聞社）
　　・第15改正　日本薬局方解説書　（広川書店）
　　・最新生薬学　刈米達夫著　　（広川書店）
　　・薬用植物学各論　木村康一・木島正夫共著　（広川書店）
　　・生薬単　原島広至著　　　　（株式会社エヌ・ティ・エス）
　　・花と樹の事典　木村陽一郎　監修　　（柏書房）
　　・山渓カラー名鑑　日本の樹木　（山と渓谷社）
　　・原色和漢薬図鑑　難波恒雄著　（保育社）
　　・食材事典　　原田孝子監修（学研）
　　・食材図典　　　（小学館）
　　・ヤマケイポケットガイド　ハーブ　亀田竜吉（山と渓谷社）
　　・植物分類表　大場秀章　編著　（アボック社）

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